アメリカのCS(コンピュータサイエンス)系修士に意味はあるのか

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こんな記事がありました。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のコンピューターサイエンス学部のデータサイエンス修士(Master of Computer Science in Data Science)が「完全オンライン」で取得できるのでご紹介。

名門イリノイ大のデータサイエンス修士が、完全オンラインで取得可能に しかも安い!

それに対してついていたはてなブックマークコメントのうち人気のコメントが

人気のコメントでこのくらいだから、実際にはもっとひどいコメントはたくさんついています。

アメリカのCS(コンピュータサイエンス)系修士に意味はあるのか

カモにされてる。アメリカの理工系の大学院で博士じゃなくて修士だけ取って終わるやつなんかほとんどいない

というけど、修士の人はたくさんいます。スタンフォードは博士課程に入るとstipend(奨学金)がもらえるので、博士課程に入学して修士で中退する人もいて、博士課程挫折組なのか、stipend目当てのもともと修士で十分な人だったかは判断が難しいけれど、CSの修士はたくさんいます。アメリカだったらPh.Dじゃないと意味がないというのは現実に即していません。

これはLinkedInとかで、GoogleでもFacebookでもいいけど、有名企業に勤めている人の経歴をみればわかります。学部卒か、Ph.Dかみたいな二極化はしていなくて、修士の人もたくさんいることがわかるでしょう。

CSの修士ってどのくらい価値があるのかしら?PhDないと…みたいな世界もある気がする

気がするというだけで実際には違います。そんな誰も彼もが博士号持ちのわけないです。博士号を取るのは大変です。では博士が困難な人は学部卒ばっかりか、なんてことはないだろうと想像できるでしょう。

Fラン学生大歓迎かも

すぐにFランとか馬鹿にするけど、TOEFL iBT speaking sub-section score: 24取れるならそこらの東大生に負けないでしょう。書いた人もたぶん取れないと思います。帰国子女とか英語頑張ったとかあるかも知れないけど、たぶん取れない。

H-1Bビザを取得したり、仕事によるグリーンカード申請にアメリカの修士号は役に立つ

ここまでは一般的な話で、ここからはアメリカで仕事をする場合の話。もしアメリカで仕事を探すのであればビザや永住権が必要になってきます。

H-1Bビザをアメリカの大学院で取得している場合には、通常の65,000の枠の外の追加枠で応募できます。つまりビザを取れる可能性が高まります。修士号でも日本の大学院ではだめなので、これには価値があります。

さらに永住権を申請する場合には、大卒だとEB-3カテゴリでの申請になるでしょうが、大学院終了だとEB-2カテゴリで応募できます。これもかなり有利になりますので価値はあるでしょう。

このように、アメリカはPh.Dじゃなかったら意味がない社会ではなく、修士号でも十分に取得する価値があります。

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