コメントお返事 – 現地企業か日系企業か –

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Sudachiのことを書いたらコメントがいくつかありましたのでお返事いたします。

突然のメール失礼いたします。
現在、アメリカの修士課程でCSを専攻しており、卒業後はOPTでの滞在を希望しています。
ぶしつけな質問で誠に恐縮ですが、管理人さんならOPTで職場を選ぶ際に日系企業と現地企業のどちらを選びますでしょうか?英語がそれほど芳しくないため、日系企業なら安心かもとの思いもありつつも、現地採用は待遇がそれほど良くないとの話もありますので。。
ご示唆を頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

結論から書きます、現地企業です。ただしビザや永住権(グリーンカード)の申請が滞りなくできるなら、です。我々外国人はビザがなければ滞在できませんし、H-1Bビザまで行くとだいぶ安心感がありますが、職を失ったら帰国(最近は60日猶予があるけど)ですので、グリーンカードを取るまでは油断できません。ですので、グリーンカードを最短で取れるコースを選ぶのがいいように思います。就労ビザをサポートしてくれて、さらに永住権のサポートも約束してくれるなら日系だろうとインド系だろうと、どこでも行くべきとなります。グリーンカードが取れるまで5年程度かかるかも知れません。H-1Bビザは4月申し込みで10月発行です。ですから今からだと来年の4月に申請して10月になるまでOPTで過ごすことになります。多くの企業では、グリーンカードの申請はすぐにはしてくれないので、さらに1年程度は働く必要があります。それから修士で2, 3年かけてグリーンカードを取ります。

トランプ政権のせいか、グリーンカード取得までの時間はさらに長くなる傾向です:Trump administration adding extra hurdle for green cards

3〜5年間は社畜をする覚悟で頑張らないといけません。日本の場合はブラック企業が多いけど、国籍があるので嫌になったら辞めることができます。外国ではビザがあるので、場合によってはかなり辛い思いをしないといけないかも知れません。ビザがないことをいいことに、足元を見てくる会社もあるかも知れません。日本は国際社会から奴隷制度があると批判されますが、実はアメリカにも奴隷制度はあります。グリーンカードを取るまでは奴隷とも言えます。給与はそれほど大きな差はつかないはずです。H-1Bビザはprevailing wageという普通の給与を出さないと許可されませんから、ビザで雇われている人はアメリカ人の半額とかそういうことにはなりません。仕事の内容も国籍で差別されることはないはずです。

アメリカにもビザなしの弱みに付け込む奴隷商人みたいなやつもいますが、そういう会社は無給や薄給でこき使える奴隷ちゃんを前提にしている非効率な会社です。全体的にアメリカの会社のほうがモラルがあると思います。日本人だけ奴隷にして、現地人は遊んでいるということはないでしょう。でも雰囲気は会社によってずいぶん違います。Netflixなんかは給与いくらでも出すけど、ちょっとでもパフォーマンス悪いと容赦なく切られるらしいので、ビザ労働者には向いていないと思いますが、それもまた選択肢の一つです。現地の会社でのんびりしているところで永住権まで頑張るのがとりあえずよいでしょう。

雰囲気は日系企業と現地企業でかなり違います。シリコンバレーには日系企業もたくさんありますが、遠目に見てもあれは日本人かなとわかります。服装などでわかるのです。ということは会社の中の働き方もやはり日本的である可能性があります。ですから、せっかくこちらにいるのだから、現地企業を優先して探すべきです。

しかし、冒頭で述べた通り、どうしても英語面接が苦手などの理由で仕事が見つからない場合は日系企業でもビザと永住権の約束をしてくれるなら行くべきです。5年間は下積みのつもりで粉骨砕身働くしかありません。日系企業で英語使わないと英語がうまくならず脱出が難しくなりますので注意です。

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2 件のコメント

  • オーストラリアの大学院でITの修士をとった後、オーストラリアでプログラマーとして働いている者です。

    >外国ではビザがあるので、場合によってはかなり辛い思いをしないといけないかも知れません。ビザがないことをいいことに、足元を見てくる会社もあるかも知れません。

    >5年間は下積みのつもりで粉骨砕身働くしかありません。日系企業で英語使わないと英語がうまくならず脱出が難しくなりますので注意です。

    私は学校を出た後に期限付きの労働ビザを取得したのですが、期限付きであるために、転職に苦労しています。(アメリカで言うところのOPTに似ているビザです。)なので、ここはすごく共感できます。
    現地でフルタイムの仕事をとるだけでなく、ビザの問題を解決してようやく「脱出成功」なんですよね。
    海外脱出を目指す者の最大の関門だと思ってます。(現地人と結婚した人には無関係でしょうが)

    ところで、stackoverflowを見ていると、Paid relocationのタグがついたアメリカ企業からの求人を時たま見かけますが、ああいった企業も所謂「足元を見てくる企業」なんでしょうか?
    私はオーストラリアに若干飽きぎみなんで、肩書きからJuniorが消えたら、ビザスポンサーになってくれる企業をオーストラリア外(日本除く)で探そうかと思ってます。

    記事と関係ない話ですが・・・私がこのブログを発見したのは2010年頃でした。海外ニートの就職日記が大人気だった頃でもあります。
    私はその頃日本の会社で滅私奉公をしており、このブログや海外ニート氏のブログから触発され、海外脱出を志すに至りました。結果、ニート氏と同様にオーストラリアで学位を取った後、ITの仕事をしております。
    このブログは久しく拝見していなかったのですが、これを読んで海外脱出の野望に燃えていた頃の自分を思い出すことができました。これからも頑張ってください。

  • 突然のご連絡にも関わらずご丁寧に回答くださり誠にありがとうございました。管理人さんのご助言のとおり、まずは現地企業への就職を目指して頑張りたいと思います。GC獲得に際しては、最低5年間、社畜期間が必要とのことですので、それまでは何としてもくらいついていければと思います。(そもそもH-1Bビザを獲得できるのかという点については運に身を任せなければいけないこともありますが笑)
    このような情報を発信してくださる貴ブログは海外脱出を志す私にとって非常に大きな励みとなっております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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