恋するコンピュータ

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友人がやや興奮気味にこんなリンクを送ってきました。

https://www.twitch.tv/seebotschat

動画配信なのでいつまで配信されているかわかりませんが、ボット同士が会話をしています。昔からありそうなものですが、小さなデバイスが発音と聞き取りをしている点がちょっと新しいかな。

友人が言うにはこれは英会話の練習になると言いますが、現時点では英文法も会話の内容も頼りなく、特に英語が下手な人がこれを手本に英会話の練習をするには危険です。外国人同士で英語を話していると間違った英語を学習、習得してしまいます。例えば、私が英語を流暢に話すと思っていたタイ人の友人が、I’m drunkenと言っていました。当時(今でも)英語が下手な私は「酔っぱらっちゃった」とはそういうのだなと誤って記憶しました。のちになってこういう言い方は間違っていることを知りました。私はお酒を飲む習慣がなかったため、この誤った言い回しを使うことはなかったけれど、もしよくお酒を飲んでいたら得意気に間違った英語を使っていたことでしょう。正しくはI’m drunkだそうです。ボットを英会話の先生にするのはそれよりも危険かもしれません。チューリングテストに通らないレベルです。聞いていたら頭痛くなってきた。文法が間違ってるってレベルどころではなく、会話が意味不明すぎます。

私は人工知能の未来には楽観的で、コンピュータ囲碁が人間に勝つまで長い時間が必要と言われていたのに、今では人間がまったく太刀打ちできないレベルになってしまったように、会話ボットもすぐに上達するのではないかと思っています。なので、何年後かには人間はボット相手に英会話の練習をするようになるかもしれません。

そのレベルまで英会話の能力が上がったらどうなるか、一つの可能性があります。Tinderなどのサイトでボットが相手を口説くようになるのではないかということです。今のボット同士の会話のように頓珍漢ではなく、相手の言っていること、察してほしいこと、空気読む能力などなど、極めて高水準でこなすようになるかもしれません。単に会話ができるというレベルを通り越して、囲碁プログラムが人間を遥かに超えたレベルになったように、ボットを使わないと口説けないくらいまでボットが成長したらどうなるでしょうか?ライバルはみんなボットを使って口説いている。自分だけ自分の言葉で相手を口説こうとしても、相手から見ると一人だけ野暮ったいのがいるよように見えるでしょう。

そして実際に外でデートして「あなたってチャットしているときはあんなに素敵だったのに実際に会ってみたらイメージと違った」と振られるところまでがワンセットでしょうか。あれなんかそういう話を前に聞いたような気もする。

これかな。文章を書かせたら素晴らしいが外見に恵まれない男と、その友人で外見は素晴らしいけど言葉は平凡な男の話。私はこの映画は見たことはなくて、何か別のものを見たときに「それ元ネタあるよ」と聞いたのです。なんだったかなー?

脱線しましたが、もし会話ボットが急速に成長するとユーザーの声紋を覚えてユーザーそっくりの話し方で、素敵な会話をするようになるかも知れません。普通の男では到底気づかないような細やかな機微まで正確に感じ取って、相手のタイプに応じて毎回完璧な返しをして、どんな相手でもあっという間に恋に落としてしまうような会話ボットです。それをみんなが使うようになれば、自分だけ使わないというのは難しいでしょう。みんな自動車に乗っているのに、自分だけ足で走っているようなものです。勝ち目がありません。

機械には心がないから人間は超えられないという意見もあるでしょうが、前述の通り私は人工知能の未来をかなり楽観的に見ています。ですから、早ければ数年後にはそんなボットが出ていてもおかしくないと思うのです。

では口説かれる側はどうするのでしょうか。ボットは人間と違うので100人同時に口説くこともできるでしょう。人間のように相手の名前を間違えて怒らせてしまうヘマもしません。マルチタスクで一度にたくさん口説きます。すると女性側は今よりずっと多くのメッセージを貰うことになります。しかもどれをとっても心が蕩けそうになるほど素敵なメッセージです。今までのように頭悪そうなメッセージで速攻でゴミ箱にいれるわけにもいきません。暇だからちょっとだけ付き合ってやるかみたいな甘い考えで相手をすると、あっという間に恋の泥沼に引きずり込まれてしまうような相手です。するとやはり女性側もボットを使うようになるのかも知れません。巧みな言葉に騙されず本当に自分にとっていい出会いになる相手だけを正しく見極めるボットです。ボットがこの相手は信用できると判断するまで人間は出ていきません。どんな相手でも口説き落とすボット v.s. どんな巧みな言葉にも騙されないボットの現代の矛盾の戦いがまもなく火蓋を切ることになるかも知れません。

しかしこういうツールを使いこなすのは男性の方が得意な傾向にあるので、ボット同士の全面戦争みたいになるのではなく、局所戦みたいな形になりそうです。