情報系を志す君へ

広告

未成熟な情報系

オナニートかどうかという点で見ると、情報系は変わっていると思います。

まず、SIer(システムインテグレーター)と言われる業種では、結構文学部とか教育学部とか、あと学部脱落組の理系とかその辺を拾っています。そういう人は情報工学/科学の専門教育を受けていないので、かなり戦力としては見劣りします。まあ、日本の企業文化では大学生に学力は求めず、必要なことは企業内で教えるらしいからいいのかも知れません。

とはいえ、英語で言うとbe動詞を知らない人に英語を使った仕事をさせるようなもので、かなりきな臭くなってきます。今時の人はメールをしたりWebを見たりは最低限できることが多いけれど、やはり技術には相当差があります。Googleでほぼどんな情報でも瞬時に見つけ出す素人もいれば、プロなのに検索がへたくそな人もいて、この辺は教育というよりセンスの問題かなという気もします。

ともあれ、専門教育を受けていない人が多く入るSIerですので、情報系の人が役に立つかというと、たぶん意味ないです。一部の専門教育を受けている人にあわせると、他の人が研修で脱落してしまうので、やはり英語ならbe動詞あたりから教えるような研修をします。でも数ヶ月で一気に高度なところに飛んでしまうので、結構厳しい業界です。それが終わると35歳定年説がささやかれる過酷な体力にものを言わせた職場が待っています。

こういう環境はおそらく他の業種ではないのではないかと思います。情報技術が比較的最近の産業であることに起因するかも知れません。もちろん、研究分野ではコンピュータは大昔からありますが、今のようなビジネスが普及したのはここ最近のことです。

情報系はオナニート

就職市場が学生に情報リテラシーを求めていないため、結局のところ情報系選択をしてもSIerなどマスな就職先にはあまり意味がないような気がします。東大生が行きたがるような上位SIerならば、経営工学とかそういう分野をやっておく方がいいのではないかという気すらします。

そうすると、情報技術を持っている人はどうするかというと、NTTのサイバー研とか、IBMの基礎研究所とか、そういうわずかな採用しかないところに行かない限りは自分の研究分野を仕事に繋げることはできません。そういう点で情報系はオナニートなのです。海外に出ればまた別ですが。

情報系を目指していい人・止めといた方がいい人

東京大学理学部情報科学科の学部2年生向けの「アルゴリズムとデータ構造演習」の授業が試金石になると思います。

課題には、A課題とB課題があります。(課題番号の末尾が種類を表します。) B課題が基礎的な課題で、A課題が発展的な課題となっています。 B課題を全問解くことが、単位取得の目安です。

とありますが、B課題を友達に聞かないと解けないという人は絶対に目指すべきではありません。単位は取れても何も力は付いていないでしょう。

もちろん将来のことなので、現時点で解けないのは構わないのだけど、学部卒業時にB課題は瞬殺くらいの実力になっていないと厳しいと思います。情報系だと小学生の頃からこのくらいできる人がたくさんいますからね。逆に大学のレベルが低すぎるとも言えます。他の学科で言うと、大学で方程式の解き方を習っていて、しかも解けなくて友達に聞いている人がいるようなものです。

東大だとそういう人はあまりいないようですが、ネットの「プログラミングの宿題答えます」スレあたりを見ていると、かなり微妙な情報系の学生がたくさんいることがわかります。他の専攻より分散の大きい学科と言えます。

分散が大きいからこそ、専攻を無視した文系就職ではない就職先を求めるなら上位に食い込んでいないとダメなのです。

A課題にチャレンジしたい人は

現在の実力で手も足も出なくても、そういうモチベーションのある人は情報系に向いていると思います。A課題はいわゆる答えのある問題ではなく、改良していけばどこまででも改良できるタイプの問題です。うんと磨き上げれば博士論文でも通用するでしょう。

さて、情報系もハードウェア系とかお金のかかる分野もあるのですが、比較的お金がかからないのが特徴です。今なら大抵の人はパソコンは持っているし、なくても秋葉原に1万円持って出かければ十分いいものが買えます。

情報系で大事なのは「ググれかす」ではないですが、自分で調べる力です。何か問題にぶち当たったときに、自分で問題の原因を調べて、解決策を考え、調べ、試行錯誤する能力が一番大事です。これがあれば、あとは自分のパソコンであれこれ試すことができます。現時点で実力がまるでなくても、こうした姿勢の人は急速に伸びます。

いったん実力が付くと、学校の研究室の設備を使わなくても自宅のパソコンで相当面白いことができることに気づくはずです。こうなれば、あとはメキメキ実力をつけていくだけで、ネットの世界で神と呼ばれるのもいいし、自分の世界にどっぷり漬かるのもいいし、情報系を選択したことが正解と思えるでしょう。就職活動を迎えるその日までは。

情報系から逃げ出す方法

就職する段階になると、企業と学校教育のミスマッチに気づくと思います。コミュニケーション能力があるリア充ならば、勢いで乗り切ってしまうのでしょうが、パソコンが恋人みたいな人はここで挫折を味わうはずです。アセンブラでラブレターを書いてもCPU以外は読んでくれません。

そういうときは、大学院で浮気をするといいと思います。ここで間違って情報系を極めるような進学をすると人生終わりに近づきます。そりゃあね、パソコンに「そこんとこ、てきとーによろしく」って書くだけで、その適当が何であるかを推論して最適なプログラムを自動生成するとか、完成したらすごいと思いますけどね。でも、多くの人は「そんな夢物語を語っていないで、とっとと手を動かせ」と言うでしょう。そんなもんです。

そんな研究に金を出すのは大学か、よほどキャッシュリッチな企業の研究所だけです。情報科学専攻の人の数と比してそういう研究所のキャパシティは非常に限られています。

で、どこへ行けばいいかというと、いわゆる学際的なところがよいのではないかと思います。例えば経営学をやっているけれど、膨大な計算をどうこなしていいか分からないという研究室に、コンピュータの技術をひっさげて乗り込んでなんとかしちゃうとかです。工学部辺りも面白いのはあると思います。

余談・知能系

1980年代に通商産業省(現、経済産業省)が「次世代コンピュータは人工知能だ」と何を考えたのか言い出して、あちこちの大学に「知能」と付く研究室を作りました。というか「知能」というと研究費を貰いやすいので、こぞってそういう研究室を大学が設置した方が正しいかも知れません。あの当時は、定理自動証明系とか、オナニートの神髄みたいな謎の研究をあちこちでやっていました。

学校で「第五世代型コンピュータって知っているか?」と聞かれ「ああ、あの失敗したやつですか」と答えたら先生は「あれは、多大な成果を残して解散したと言わないとダメだ」と苦笑いしていました。まあ、大人の事情というやつです。

その頃のアメリカはインターネットの研究みたいなことを水面下でやっていて、1990年代以降に急速に花開くわけで、目の付け所の差としか言えません。

広告