昨日友人とLINEをしていたら、にちゃんねる界隈で私が篠山半太の自作自演キャラであるように言われていると聞いた。失礼な話である。私は篠山より知的で前向きだ。
彼とは長らく友人関係にあるが、これは困ったというか全然話が合わないのが見ている方向である。彼は過去ばっかり見ていて話題の大半は未だに中学入試の話だったりする。よくて大学のカリキュラムの話とか入社試験あたりである。もう遠い昔のことなのに。
しかし過去を見ている人はパンダだけでもなく意外と多いと感じている。例えば就活ネタを見ると人事部のおっさんらしき人が大学の偏差値の話ばかりしているのはわりとある。この人は大学を出て推定20年は経っているであろうに、未だに高校生と同じ程度の視点でしか大学を評価できないのである。例えばトムソン・ロイターによるインパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキングを見ると、意外と地方の国公立大学も上位にあり、名だたる私立は案外目立たなかったりする。したがって理科系の学生であれば入学した時点では予備校が作ったランキング脳に染まっていたとしても研究室に所属するあたりで大学に対する見方は変わることが多いのだが、パンダにしろ上述の人事部のおっさんにしろ、高校時代から思考が進歩しない人種はいるものである。もし私が今の思考を持ったまま高校生に戻るようなことがあるとすれば、おそらく受験による尺度とは別の視点で進路を選ぶと思う(そしてたぶん国内に拘らないとも思う)。
さらに私は日本で全然相手にされず世界中あちこち放浪して最終的にアメリカに流れてきたわけだが、こちらに来るといろんな大学出身の人がいる。日本にいるときは実感のなかったハーバードやスタンフォード出身の人ともたくさん知り合った。そういう人達と話していると国立大附属の高校出身だとかそんな話題はほんとどうでもいいのである。まあ客観的に日本の名門校はなかなか見所があるというか、高校生の文化祭だと思っているとよい方向に期待を裏切られるような展示や発表(例「筑駒高3生が制作した文化祭専用の音ゲーが神がかっている件」)があってレベルの高さに驚くこともある。この秀才たちがパンダのように小さくまとまらないことを願っている。なんでも日本のトップ大学の学生は入学時には世界でも屈指の学力を持っていることが多いのだが、卒業時の能力や卒業後の活躍となるといまいちな場合があるというので、パンダに限らず日本全体の問題かも知れない。もちろん名門大卒でその後も華々しい活躍をしている人もたくさん知っている。国内でも国際的にも。
私の家は貧しいというわけではないがさほど金持ちでもない。もし金持ちなら親に頭を下げて50万ドル借金をこしらえてグリーンカードを取るだろう。アメリカの永住権応募にはEB5枠というのがあり、都市部などには100万ドル、田舎だと50万ドル投資をすればグリーンカードを簡単に取れる制度がある。これは投資なのでうまくいけば投資したお金はそのまま戻ってくるし、増えることもあるかも知れない。あまり楽天的に考えるのもなんなので半分に減ったとして25万ドルは戻ってくるので自己資金25万ドル+借金でもすれば永住権はすぐにでも手に入る。残念ながら私の家にはそんなにお金はないので、普通にEB2カテゴリでの永住権を狙っている。いま思えば博士号を取って、原著論文いくつか書いておけばEB1カテゴリで出願できたので、博士課程まで進学しておくべきだったかも知れない。この辺もパンダとはたぶん見方が違っている。彼の言う学歴とは学校歴であって、高学歴は有名な学校を出たということ。私の言う学歴は学位のことで、たとえ無名大学でもPh.DはPh.Dなのである。有名大学の学士より無名大学の博士のほうがいい。彼は最終学歴はおろか途中の学歴にすら誇りを持っているようなので何とも考えがあわない。
翻ってあのブルジョアパンダはお金には困っていない様子である。なんともうらやましい限りだ。私は大学院に入るまで海外旅行経験がなかった。彼は小さい頃から色々な国に家族で旅行したらしい。育ちの違いにめまいがする。しかし今では国際性は私の方が上で、努力が育ちを凌駕したとも言える。
このように根本的に考えが異なるのになぜ長く友人関係を継続しているかと言うと、たぶん根本的にダメ人間である点でつながっているからである。私は決して意識高い系ではないし、宝くじでも当ててまとまったお金が手に入ったら躊躇なくニートに戻ると思う。もし私が意識高い系だったらたぶん官僚にでもなって国連に出向して世界平和のために粉骨砕身働いているであろう。考えるだけでも寒気がする。私は娯楽が好きで、これはある程度のお金があればずっとニートしていても暇しないのである。今まで会った人の中には会社を辞めたが無職は退屈すぎてすぐに再就職したという真面目な人もいるが、私は真逆である。一生働かなくても平気な気がする。
怠惰はエンジニアの美徳である。
#1 プログラマーの三大美徳その1「怠慢」
プログラマーには、次の美徳が絶対に必要です。この美徳の一つでも欠く人は、プログラマーとなってはいけません。また、これらの美徳を欠いているにも関わらずプログラマーという職業に就いてしまった人は、今すぐ転職を考えましょう。それくらい重要な美徳です。怠慢(Laziness)
短気(Impatience)
傲慢(Hubris)
「そんな人はプログラマーに限らず仕事ができないはず」と思ったあなたは「怠慢」で「短気」で「傲慢」な素質があるかも知れません。まずは怠慢から解説します。
私は怠けたいからいま頑張っている。ブルジョアパンダみたいな立場なら頑張らないかも知れないけど、それでも一定の努力はすると思う。例えば考えるのが嫌いだから機械学習を学んでいる。昔の話をするなら就職活動で数学の問題があってこれを解けますか?みたいな挑戦状があった。たぶんほとんどの応募者は数学的にエレガントな解答をしたのだろうが、私は考えるのが面倒だったからプログラムを書いて総当たり的に全部試してほらダメでしょってことを証明して送りつけた。なぜか表彰されて5,000円ぶんの図書カードをいただいたのはいい思い出。周りには過去に数学オリンピックで金メダル取ったような人がいた。
パンダも怠惰で短気で傲慢というエンジニアの才能を持っているようだけど、彼はなぜか全然ダメ。たぶん私はテクノロジーが怠け者を救うと思っているけど、彼はソーシャルハックをしたほうが手っ取り早いと思っているのだろう。
色々書いたけど、私はパンダとは似ても似つかない。「怠慢・短気・傲慢」。これが、ニート(オレ)と炎上芸人作家(お前)が共有した真の正義だったはず。他の部分はかなり異なるので混同されないように注意されたい。
しかしあのパンダはよく燃えるね。自分が火だるまになるのはいいけどガソリン持ってこっちに突撃してくるのはやめてくれ。
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