コメントをいただきましたのでお返事します。
はじめまして、以前から読ませていただいております。
日本でエンジニアしてましたが、こちらにインスパイアされるなどしまして
来週渡米、この春よりUCSC Extensionにて学ぶ運びになりました。
H-1Bを目指してますが、ここ数年の倍率を考えると駄目元ですね…。
かような高倍率でも、OPTの際にH-1B申請を取り付けられるものなのでしょうか。
ブログ、大変参考になりますのでまたどんどん更新してもらえると嬉しいです。
コメントありがとうございます。このブログがきっかけでUCSCXに来る方が増えて何よりです。
craigslistでの家探しについて
来週渡米とのことですが住居はお決まりですか?ちなみに私は最初の3日間をモーテルで過ごし、空港でレンタカーを借りてcraigslistで急いで探しました。craigslistでは記事を載せる側も、家を借りる側も二股、三股当たり前なので素早く動くのがコツになります。良さそうな掲示を見つけたらすぐに連絡してすぐに行くと言うことです。サンノゼやサンタクララであれば$700〜$1,000くらいで一部屋間借りできれば上々だと思います。
一方でサンフランシスコに住んでCaltrainで通学するのも魅力的なプランです。サンノゼ界隈には有名なIT企業が多く、街をドライブしているだけでも楽しくなってきますが、近年ではスタートアップの中心地はサンフランシスコに移っています。面白そうなカンファレンスやミートアップもサンフランシスコで開催されることが多く、サンフランシスコ市内に居を構えていることはチャンスの面で有利です。
また、後述しますが、おそらくUCSCXの講義は週に2,3回しか受けないと思います。ですからCaltrainで片道1時間以上かけて通学すると言っても非現実的ではありません。電車には自転車を乗せられるので十分通学可能です。
シリコンバレーに住むかサンフランシスコに住むのかは悩むところですが、チャンスを多く掴みたいのであればサンフランシスコのほうがよいでしょう。
UCSCXについて
最初から否定的なことを書くのは気が引けますが、率直に言って授業そのものはそれほど期待するほどのことはありませんでした。留学生の9割くらいはインド人女性で、聞けば夫がこちらの企業で働いているから自分も渡米したというパターンが多くありました。こちらに来るまで夫には会ったことがないとか、インドの結婚事情について驚かされることもあります。授業が始まると現地の人のスキルアップ目的もあるのでアメリカ人が増えます。
留学生の構成が夫がIT企業にいるからという理由で選んだ人が多いため、授業の腰を折られることはよくあります。例えばEclipse ver 3.7を使ってください(新しいのはサポートされていない)という指示があったときに「先生!私のEclipseはバージョン7です」のような質問が飛び交い、調べてみるとそれはJDKだったなど、日本でエンジニアをしていた方にとっては肩すかしを食らうと思います。
ですから授業はPyhton基礎みたいなものは避けてできるだけ高度なものを取るか、あるいはOPTをお金で買うと割り切って負荷の低い授業を多く選び、ミートアップなど学外活動に時間を割くことがお勧めです。スキルを付ける目的ならばオンライン教育があります。例えばUdacityは意欲的なコースを多く用意しています。就職の保証をしてくれるプログラムもあります。
そうそう、1セメスターに1つしか取れませんがオンラインコースもあります。これならば学校に来なくてもいいのでサンフランシスコ市内など遠くに住むのならばお勧めです。
ビザについて
UCSCXで取れるOPTは1年間しか有効期限がなく延長ができません。また再入学してもOPTは取得できません。ですから戦略的な運用が必要になります。春からUCSCXに通うご予定とのことですが、9ヶ月コースだと終了するのが12月末でしょうか。
OPT開始はコース終了から最大60日の猶予をもって開始することができます。すると翌年の2月下旬くらいに期限切れとなります。ひとたびH-1Bを出願すればCap-Gap Extensionの権利が得られます。
H-1B AND OPT CAP-GAP EXTENSIONS
What is a Cap-Gap Extension & who is currently eligible?
A cap-gap extension is a regulatory provision which extends an eligible F-1 student’s status to bridge the gap between the end of F-1 status and start of H-1B status, thereby allowing the student to remain in the US during the “gap.” The cap-gap extension is available to students who, as of April 1st (the beginning of each fiscal year) were either on approved OPT or in their 60-day grace period and have a pending or approved change-of-status October 1st H-1B petition with the USCIS that was filed prior to the expiration of their OPT or 60-day grace period. Those filing for H1-B via consular processing DO NOT qualify for the Cap-Gap Extension. You must confirm with your employer if the H1-B will be filed as a change-of status or via consular processing. You may be eligible for one of two cap-gap extension benefits:
- If the employer filed your H-1B (change-of-status) petition and it is received by USCIS prior to your post-completion OPT expiration date, you qualify for an extension of your OPT employment authorization.
- If the employer filed your H-1B (change-of-status) petition and it is received by USCIS after your post-completion OPT expires but during your 60 day grace period following OPT, your F-1 status and permission to remain in the US are extended but you are not eligible to work.
OPT終了後の60日間はgrace periodでアメリカに滞在でき、H-1B出願をすればH-1Bの結果が出るまで学生ビザで滞在できますが、働くことができません。ですからOPT終了時期については入念に検討して場合によっては卒業を3ヶ月遅らせることが重要です。
H-1Bビザは企業がスポンサーにならないといけないので、OPT期間中に就職を決めて会社と相談してH-1Bのサポートの約束をして貰う必要があります。
もしH-1Bビザが取れなかったらどうするか?
ここでは諦めて帰国するというプランは検討しないことにします。
企業はグリーンカードのサポートを嫌う傾向にありますが、H-1Bを経由しないでグリーンカードを申請することは手続き上は可能です。しかし雇用を前提としたグリーンカードの申請はEB2カテゴリ(修士以上の学位か十分な職歴あり)で2年程度、EB3(学士以上の学歴)で5年程度かかると言われていますので、時間の面からも難しいでしょう。スタートアップを手伝うなど多大な貢献をすればサポートしてくれる可能性もあります。
あまりお勧めはしませんがビザミルに入って凌ぐ道もあります。例えば International Technological University という学校があります。ここに入学すると学生ビザが得られ授業は30日に1回だけでよく、聞いた話では校舎もないような形骸化した学校だそうです。売りはすぐにCPTを出してくれるので働くことができる点です。うわーうさんくさい。CPTって授業でやったことを実地で経験しておいでというもので、授業に付随したものです。入学すぐにCPT出して授業やらないなんて。ですからあちこちで That school is listed as a visa mill. なんて言われています。でもそういう抜け道もあるということです。
自分で会社を作ることもできます。以前は自分で会社を作りH-1Bビザを自分に出すことができましたが今はできなくなったそうです。ですからあり得るプランとしてはEビザになります。Eビザは日本国内で出願するとおそらく2,000万円くらいの資本金がないと受理されませんが、アメリカ国内ならば50,000ドルくらいで通るかも知れません。これは日本で申請する場合は日本にあるアメリカ大使館が審査し、日本人の経済力を勘案すると2,000万円くらいが妥当となるそうですが、アメリカ国内だと途上国出身者もいることだしハードルが下がると言われています。Eビザは自分と同じ国籍の人が経営している会社である必要があり、多額の出資を受けると株式の過半数が日本人以外に渡ってしまいビザの要件を満たさなくなる場合があります。ですから出資を募る場合には日本のエンジェルかベンチャーキャピタルを頼ることになります。
そのほかに語学学校にでも入学して学生ビザで滞在しつつチャンスを待つという手もあります。ある程度長い間こちらにいれば人脈もできるし知識も付きますから意外な抜け道を見つけ出すことができるかも知れません。例えば給料を日本の銀行に振り込んで貰えばアメリカでの所得はないので一応合法になるはずです(極めてグレーだと思うけど)。あるいは貯蓄があるのなら無給で手伝うこともできます。その代わり、翌年度のビザのサポートやグリーンカードの直接サポートを打診するなどの交渉が重要になります。
現地で頑張っている日本の方にはできるだけ多く情報交換できればと思っていますのでよろしくお願いします。
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