華僑という中華圏の外で生きる中華系の人がいるが、日本人もそのくらいたくましくていいと思う。
http://anond.hatelabo.jp/20121111224358
町山智浩が、先日新聞で、娘のためにアメリカに住み続けたい旨のことを言っていた。
いわく、それは30歳過ぎて大学に行って職が見つかる国はアメリカだと。
町山の妻は30過ぎてアメリカの大学に進学して就職したのだという。
(略)
そして、新卒で就職がうまくいく人ばかりではない。
就職がうまくいかず、バイトや派遣で生活している人もいる。
学生が、新卒で就職しないと一生不安定な収入で終わる不安を持つ世の中というのは、健全なのだろうか。
時給いくらで得る収入では、結婚したり子供をもったりなんか無理と思うのは道理だろう。
(略)
新卒以外でも企業に正規雇用で就職できるということが、
今起きている多くのことの解消の一端になるように思うのは自分だけだろうか。
もちろん、会社を選ばなければ、いくらでもできるよと言う人はいる。
しかし、そのような企業も、例えば数年のブランクのある人間や、ずっとバイトだけで生活してきた中年を
時給いくら以外の職で雇うのだろうか?
または、生活できるような待遇や収入を得ることができるのだろうか。
起業すればいいという人もいる、フリーランスでやればいいという人も。
しかし、起業にしてもフリーランスにしても、誰にでもできるというものではないのだ。
日本の社会がダメだと思う人はどんどん海外に行けばいいと思う。別に日本から出て行くこと、あるいは外国で永住権を取り国籍を取り日本国籍を捨てることと日本人のアイデンティティを捨てることはまた別なのだから。
中華系の人はそこんところをよく理解しているように思う。別に中国共産党に忠誠を誓わなくても中国人としてのアイデンティティを保てると知っているわけ。もちろん、中国共産党に洗脳されている人もたくさんいるけど。
では日本人はどうかというと、まだそこんところの国際感覚が欠けていると思う。日本がダメならさっさと見捨てて他の国に行けばいいじゃない?みたいなことを言うとぶち切れる人が少なからずいるのが不思議。だって今の日本の社会を見捨てることと「日本」という国を見捨てることはまた別だと思うから。日本国政府というのは戦後にできたそう古くない政府に過ぎないわけだけど、日本人はそれ以前の明治、江戸、もっと前の戦国とかそのころの日本との連続性を意識している。宮本武蔵の小説を読むときに自分らとのつながりを意識して読んでいる。だから、今の日本政府とか変な企業がうまくいかなくなって潰れてしまっても、それは江戸幕府が潰れたようなもので長い日本の歴史から見たらほんの一瞬の出来事でしかないわけ。
ところが今の権力を握っている人は自分の権力基盤を守るために汲々としていて、そのために人々をミスリードする。おまえらに愛国心はないのか、困っているときに国を見捨てて自分だけ幸せになっていいと思うの?みたいなことを言う。で、困ったことに社畜とかそういう自分も末端の搾取される側なのに、搾取する側の理屈を口にして同胞を攻撃する人が増えている。そう言われるとなんか自分が裏切り者みたいに思えてくるかも知れないけど、そんなの気にすることはない。
そんなわけで、日本人は日本人として世界の中で強く生きていけばいいんじゃないかと。別にアメリカでなくてもいいけど、アメリカは世界の中でも公平に見てまともな方だと思う。何がいいかというと、人生に対しての創造力が高い人が多い。新卒で正社員にならなければ人生終わりみたいな短絡的な思考ではない人がたくさんいる。もちろんアメリカにも頭の悪い人はたくさんいて、比率でも絶対数でも日本より多いかも知れない。それでもチャンスをつかみ取りたい上昇志向の強い人には居心地はいいだろう。なぜなら、アメリカには他にもそういう人が来て頑張っているのだから。
ついでに記事から別の話題も拾っておこう。
多少なりとも税金を払っている身としては、その税金はきちんと使われてほしい。
地域差はあるだろうが、多くの親が子供を大学まで出そうと思ったら、塾に行かせるのはなぜか。
また、私立学校に行かせたいと思うのはなぜか。
公立学校の教育が信頼されていないという部分がある。
公立学校の教育がもっと充実していれば、現在のように教育に金がかかることは減少するのではないか。
もちろん、私立学校の教育方針に同意して私立に通わせたいというのはある。
公立学校だろうと私立学校だろうと、質の高い教育が受けられるというのが本来なのではないのだろうか。
公立学校にもっと税金を使って、もちろん頭も使ってほしいが、満足のいくものにしてほしいと思っているのだが。
最近の公教育は終わっていると思う。自分が子供を持つことになったとしたら、できるだけ公立の学校には行かせたくない。
親の困ったことは、大抵の親は自分が若かった頃に正しいと思われた価値観を子供にまで押しつけることで、それは自分も気をつけなければならないと思っている。自分が20歳だった頃と子供が中学校に入る頃では世の中の「正しいこと」はかなり変わっているはずだけど、たいていの場合は親はその変化について行けず子供に対してベストの助言ができず、場合によっては子供を追い詰めて最悪の場合には自殺させたりしている。
この著者のお父様はすごい人だと思う。娘を小さい頃に(偶然?)フィンランドに連れて行き娘がムーミンの国を気に入ったことを覚えている。その後、娘は日本の中学校に息苦しさを覚えるが、子供の発想では「自分は日本には向いていないからフィンランドに行こう」とは考えつかない。ところが、彼女の父親は娘が日本にはなじまないことに気づいて、しかも「学校のイジメくらいなんだ、社会に出たら(笑)もっと辛いことも我慢しなければならないんだぞ。逃げるんじゃない」みたいなことを言わず、娘をフィンランドの高校に進学させようという少し常識離れしたことを決意して実行に移した。彼女の父親のやり方はおそらくベストのことだった。
ダメな環境があったら耐えるのではなく逃げるべき。日本では一度失敗したらチャンスがないのだとしたら、失敗は成功の母と考えるような環境に行けばいいし、日本の公教育が腐っているなら私立なり国立なりあるいは留学をさせればいい。
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