なんでも『アースソフト「PT3」登場! 1.3万円前後、6月頃に発売』されるらしい。PT3はエイプリルフールネタかと思っていたが、どうやら本当のようだ。
PT3はPT2とほぼ機能はかわらないようだけど、インターフェイスがPCI Express x1になっているのが嬉しい。PT2は普通のPCIだったためHP ProLiant MicroServerに搭載しようとするとかなり面倒臭いことになったが、PT3は楽に設置できると期待できる。
PT2はいわゆるTS抜きのできるキャプチャボードで、地上波やBS、CSの放送波をそのまま記録できる機能がある。放送波はMPEG-2 TSをARIB STD-B25で暗号化している。ARIB STD-B25はB-CASカードがあれば容易に復号できるので手軽にMPEG2の生データがディスク上に記録されるというわけだ。
多くのキャプチャカードはこの際に独自のプロテクトを施し、録画したPCでしか視聴できないとか、それゆえに自由な形式にエンコードできないとか、著作権ヤクザの方ばかり向いて視聴者の利便性を無視し続けてきた。これもテレビ離れの一因だと思う。
それでも外国で日本の放送を見たいこともある。以前はそういうサービスを展開していた業者もあったが、著作権ヤクザに睨まれて潰されてしまった。仕方がないので自宅にPT2を挿したサーバを設置して自動録画サーバとして、SFTPで転送して視聴するなどの方法が必要であった。
うちにあるサーバは何年か前に自作したCore i7のWindows 7マシンである。最新機種に比べれば型落ちではあるが、まあまあ高速にH264にエンコードしてくれる。PCIポートもついているからPT2も使える。しかしながら、サーバとしてはあまりよくない。Windows 7のスリープ(ハイバネーション?)は不安定で、たぶんハードウェアが自作機であることも一因なのだろうけど、正常に復帰しないことも多い。そうすると遠隔地からはお手上げで、父にメールをしてサーバを再起動してくれと頼むしかない。その間の予約録画は当然実行されない。そこでProLiant MicroServerに興味が湧いた。もちろんWindowsの代わりに別のOSをインストールすることもできるし、Windowsに仮想マシンを入れて、仮想マシン上でNAS用のOSを起動してもいいのだけど。
ProLiant MicroServerは見ての通り小型のサーバ機である。サーバ機にCD/DVDドライブはいらないし、無駄に消費電力が高い必要もない。CPUが遅いとエンコード速度も落ちるが、ゆっくり待てば良いだけの話。ProLiant MicroServerにはディスクレスモデルがあり、リモートアクセスカードが標準搭載されている。
追記(2013/4/11)
HP ProLiant MicroServer N54L (TurionII NEO N54L 2.2Ghz/2GB/250GB)が出ています。今買うならこっちのほうがよいでしょう。ただ消費電力が15W→25Wに上がっているそうです。
追記終わり。
マニア心をくすぐる「HP MicroServer」を試す【リモート管理カード編】
例えば、MicroServerの電源がOFFになっていても、リモート管理カードをインストールしていれば、リモートPCから簡単に、MicroServerの電源をONにすることができる。
もちろん、iLOと同じように、MicroServerの画面をリモートPCに表示し、PCのキーボードやマウスをそのままMicroServerの入力として利用することができる。OSの画面だけでなく、BIOSの操作もリモートから行える(仮想KVM機能)。
もう1つ重要なのは、リモート管理カードには、仮想CD/DVD/FD機能(仮想メディア機能)が用意されている点だ。このため、MicroServerにCD/DVDドライブがなくても、仮想CD/DVD機能を使って、リモートPCにあるISOイメージをネットワークでマウントし、そこからOSをインストールすることができる。これなら、MicroServerにCD/DVDドライブを増設しなくてもいい。
リモートからMicroServerを操作/管理できるため、電源とネットワークさえ用意できれば、本棚に置いてもOKだ。
たとえ電源が落ちていようが、OSがフリーズしていようがリモートアクセスカードがあればサーバを遠隔地からコントロールできるわけで、実にサーバ向けである。
これに2.5TBくらいのHDDを4つ搭載してRAID-Zで運用すれば堅牢な録画サーバが作れる。
備忘録 – HP ProLiant MicroServer + FreeBSD + ZFS
1年半前はしかたなくLinux(Ubuntu)のmdでRAIDを組んだけど、出来ればZFSにしたかった。raidzならRAID Holeの心配もないし、リビルド時も全ディスクではなく使われた分しかしないのでその分速いし。
彼はFreeBSDを使っているようだが、FreeNASのほうがお手軽のような気がする。FreeNASはFreeBSDをベースにしたNAS用のパッケージで、利便性のいいインタフェースを乗せて複数のソフトを提供しているので各種のサービス選定の手間も省ける。
最近はさくらインターネットのVPSもずいぶん安くなり、自宅サーバを運営するメリットは薄いように思う。もしかすると電気代だけでレンタルサーバ代を超えるかも知れない。東電は糞だし。しかしながら、さくらVPSにはPT2は挿せないし、HDDの容量も2.5TB x 4のRAID-Zと比べると小さい。
余談だが、さくらのVPSは月額1,480円のプランでメモリ2GB、ディスク200GB、仮想3コアが使える(あくまで仮想だけど)。ここまで性能が高いと以前のレンタルサーバのようにPHPの使えるWebサーバが欲しい程度に留まらず、Windowsの仮想化も十分できそうで自宅にWindows機を置かなくてもいいかも知れない。アクセスはリモートデスクトップを使い、必要ならVPNを張ってセキュリティを確保する。普段はUbuntuなりMacなりを使って、サブがWindowsという人は定期的にハードウェアを買い換えるよりも手軽だろう。WindowsはXPで十分な人なら満足できると思う(新しいWindowsのライセンスは高いし)。一方でUbuntuとかLinuxの人気ディストリビューションはフリーで手に入り、意欲的な機能も多く使っていて楽しい。TerminalもWindowsよりも強力だし、Cygwinを入れてあれこれするよりもUbuntuをメインにしてWindowsは遠くのVPS上でもいいんじゃないかと思えてきた。
話を戻すが、FreeNASを入れることでWindowsに各種サーバソフトを入れるよりもおそらく安定だろうし、さらにリモートアクセスカードがあるので万が一にも遠隔地からリブートできる。PT2だとPCIをPCI Expressに変換する必要があり、あの小さい筐体の中でやりくりするのは面倒だと思っていた。PT3が発売されるのが楽しみである。
追記:FreeNASでPT2を使えるか
はてブのコメントにFreeNASでPT2は使えない的なコメントがあったので追記。実は試していないので使えるかどうかはわからないけれど、FreeBSDでの実績はいくつかあるようなので、FreeNASでもいけるだろうと期待しています。どうしてもダメならFreeBSDをベースにFreeNASで使われているサービス類を手動でインストール。
追記2:PT3が発売
いま国外にいて日本のサーバをいじれないので、情報を見ているだけだけど、ここ最近でいくつか事情が変わったようだ。
PT3が発売された
かねてより期待されていたPT3が実際に発売になった。Amazonではまだ転売している人がいるのかやや割高だけど、PT2を定価で買ったときよりちょっと高いくらいだからいい時代になったものだと思う。Windowsでの動作事例はすでにあちこちにある。できればProLiant MicroserverにFreeNASを入れて動かしたいので一時帰国した頃に情報が出そろっていることを期待したい。
PT3は供給量は十分にありそうだから、そう慌てなくてもよさそうだ。Windowsで使う人ならPT3でなくてもPX-W3PEでもよさそうだし、そちらのほうが値段は安い。
B-CAS周りでごたごたがあった
B-CASがクラックされたとか、カードリーダーがあればB-CASを改造して有料番組を見放題になるとか結構大騒ぎになった。みんな言うことだけど、どうしてこの電波という公共の財産に対してテレビ局という特定の組織が割安で電波を独占的に使用して巨額の利益を得るばかりか、B-CASという建前上は一企業が独占的にそうしたカードを販売しているのか。その独占的な立場の企業になれば楽しておかねだけ入ってきていい身分。こうした権利さえあればニートでも荒稼ぎできるのだろうな(利権が手に入ったらニートと言わず一部上場企業の経営者と名乗るだろうけど)。
個人的に関心のあるのはSoftCAS。カードリーダーもB-CASカードももう持っているし、別に有料番組にも関心はないけど、それでも余分なハードウェアを接続しなくて済むというのは少しスマートになる。
追記:2012/8/4
「HP ProLiant MicroServer 神田錦町引っ越し記念特価」というのがあった。Amazonと比べてべらぼうに安いわけではないけど、リモートアクセスカードも一緒に買える。
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