[トルコ日記] 約2週間経過

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イスタンブル入りしたのが9月1日だから2週間ちょっと過ぎたことになる。

生活は結構忙しい。にーとを名乗っているけど、たぶんご存じの通りちょっとした仕事はしている。とりあえず9月20日締め切り、26日締め切りが2件、10月3日締め切りが1件、その後のものがいくつかある。これによって生活費を賄っているので疎かにはできない。

学校にも通っている。1日4時間だが毎日ある。久しぶりの感覚。夜11時くらいになると寝て起きたらまた学校かあとげっそりする懐かしい感覚。これ、会社員になったら一生続くと思うと耐えられないかも。学校については最後に書く。

メイドさんが来た

人生初メイド。とは言ってもフリフリのメイド服を着た可愛い女の子というわけでもなく、汗臭くたばこ臭い太ったおばちゃんだった。それでもベッドメイキングをしてゴミの片付けなど全部して部屋中ピカピカにしていってくれた。

最近は自炊をしていて、通常は食後はすぐに食器や料理機器の掃除をしている。ため込むと大変だからその都度処理を心がけている。それでも徐々に部屋は汚くなるもので、メイドサービスというのはありがたいものである。

イスタンブルでの生活

イスタンブルの物価は旅行をしているときは高いと思った。台湾の一人当たりGDPは3万ドルくらいあるそうだ。一方でトルコは1万ドルを切っている(イスタンブルだけ見るとだいぶ多いだろうけど)。GDPは雑に言えば国民の所得の合計だから、台湾の方が3倍くらい物価が高くてちょうどいい。しかし台湾では100元(1元2.7円として270円)も出せば昼食には十分すぎるほどで、大抵は60元くらいで済ませていた。ところが以前イスタンブルに来たときは平気で日本円で1,000円くらい飛んでいった印象があった。

いま、急激にユーロ安が進んでそれに引きずられたのか知らないけど1トルコリラも43円くらいである。トルコリラチャートを見ると数年前は1トルコリラ90円を超えていたこともあるので円から見て半分になってしまった。だいたい今の昼食は10リラくらいである。430円ってとこ。台湾よりは高いけど日本よりは安いかなと思う。

自炊をするともっと安くなる。パスタ類はだいぶ安い感じ。あ、トルコ語でpastaというとケーキらしい。いわゆるパスタはmakarnaという。マーケットには色々なものが並んでいるが、鮮度が怪しいものも結構ある。トマトなんかも近所の店のはちょっと買いたくないので少し離れたスーパーマーケットまで行っている。香辛料とかパスタ類はたくさんあり、よく見ると醤油も複数種類置いてある。意外と醤油はメジャーな調味料なのかも知れない。みりんや出汁はないようだが。

檸檬を買って搾り蜂蜜があれば飲み物には事欠かない。お茶もあるし、なかなか優雅なひとり暮らしという感じでやっている。

Dilmer

Dilmerでトルコ語を習っている。とりあえず最初は買い物をするときも困っていたのが、今は何とか自炊してやっていける程度にはなった。

家はアパートの1階で、子供達が結構遅くまで外で遊んでいる声が聞こえる。たぶんトルコ語の発音は日本人向けで中国語や英語よりずっと聴きやすいと思う。学校で習うトルコ語は実用度が高いため、意外と何を言っているかわかるようになった。

授業は朝9時から昼の1時まで4コマである。休み時間があるから正味3時間の授業がある。宿題の頻度は多い。アメリカの大学にいたときほど殺人的ではないものの、結構面倒。トルコ語の文法は日本人にとっては機械的にできるところがあるので、時間がないとろくに辞書も調べずに母音調和だけ辻褄合わせて完成とかしちゃうけど、これはよくないと思う。ほとんど頭を使っていなくて、機械的な置き換えをしているだけで学習効率は悪い。帰宅して家事をしたり仕事をして宿題をすると意外と時間がかかるので、宿題の量はもう少し減らして復習の時間を作れる方がありがたいと思う。土日はそういう意味では貴重な時間である。

クラスは全部で7つあるようだ。レベル3が終了すれば日常的には困らなくなるという。トルコ語の教師は英語を普通に話すが、レベル3終了したら自分の英語力と同じくらいのトルコ語能力はあるよとのこと。重要なのはレベル5で、これができれば新聞とか本が読めるようになる。それ以上はアカデミックっぽくなるみたい。

教師はちょっと頑固かも

おいらは日本でもトルコ語を習ったことがある。ほとんど忘れたけど。まだドイツ語の方が覚えているかも。トルコ語は日本語のように膠着語というジャンルに属するそうだ。あと語順がほぼ日本語と同じ。

例えば(母音調和はおいといて)〜yorをつけると現在形、〜diをつけると過去形になる。通常はトルコ語では「私は」とか「あなたは」は省く。この辺は英語と違う。その代わり人称の付属語とか接尾辞というのがある。なぜか2つある。これは後でまた。現在形1人称はumをつけるので、〜yorumとなる。では過去形は〜diumかというと違う。〜dimとなる。

疑問文はmiとかmu(母音調和の結果)をつける。yorが「です」だとするとmiは「か?」で合わせて「〜ですか?」という感じ。ところが人称は最後につくので〜yor muyumとなる。yは介入子音で言いやすくするために子音を入れるだけ。言いたいことは現在形では、「現在形のyor」+「疑問のmu」+「人称のum」という構造になること。ところが過去形では〜dim miとなり「過去にdi」+「人称のm」+「疑問のmi」となる。つまり、人称の付属語と接尾辞は置かれる場所が異なる。

おいらもうろ覚えなので、日本の先生が「そんなこと言ってないぞ、君の勘違いだ」と言うかも知れないが、日本で習ったところによると過去形はトルコ語ではなくペルシャ語だかアラビア語だか由来であるとのこと。いや、過去形ではなくて人称接尾辞がそうだったかも。細かいことは忘れた。とにかく、現在形とか完了形とか未来形とか色々ある中で過去形(と仮定法?)だけ文法が異なるのは色々な言語の文法が入り交じったかららしい。

日本のトルコ語の先生はなんだか知らないけど、トルコ語のみならずペルシャ語とかアラビア語とかロシア語とかいくつできるんだろうってくらい多くの語学を知っていたし、音声学やら周辺知識も豊富だった。あと専門は確か現代トルコ語ではなくオスマン時代のトルコ語の古文だったような気がする。つまり、言語的なバックグラウンドはあるし、なぜ過去形だけ変なのかということにちゃんと答えてくれた。

ところが、いま習っている教師は「その先生は日本人?トルコ人?日本人、ふん、だったら忘れなさい。トルコ語の単語はアラビア語とかペルシャ語由来の言葉はあるけど文法は100%自前のものです。ぷんすか」と憤慨していた。が、結局なぜ違うかということは言わずに自前説を主張しているだけ。客観的にはたとえ日本人 v.s. トルコ人だとしても理由を示し言語的バックグラウンドもあることから信憑性の高いのは日本の先生であろうと思う。繰り返すけど、おいらが勘違いして覚えているだけかも知れない。

日本でも例えば「奈良」というのは韓国語の「国」という言葉が元ですとか言われると「は?」って思う人は多いだろう。眉唾だ。かと言って否定する材料もそんなにない。Wikipediaによると

「奈良」の語源としては「平らな、平坦な(土地)」を意味する「なら(す)」であるという説が有力である[1]。都城という意味を与えるために「城」という字を加えて「平城」を奈良と呼称した。直言すれば、「則ち精兵を率ゐて、進みて那羅山に登りて軍(いくさ)す。時に官軍屯聚して、草木を蹢跙す。因りて其の山を號して、那羅山と曰ふ。蹢跙、此を布瀰那羅須(ふみならす)と云ふ」〈『日本書紀』崇神天皇 10 年〉に拠る。朝鮮語で「国」という意味の「나라(発音:ナラ)」を語源とする説もあるが、歴史的根拠に乏しく、「ナラ」の呼称が出る万葉集時代に朝鮮で「나라(発音:ナラ)」と言う言葉が用いられていたことを示す文献等は現在存在しない。

とあるので、ガセネタ説が有力らしい。

日本語は島国という性質上あまり他の言語と混じる機会はなかったようだが、トルコ語の場合は「100年前からありました、だからオリジナルです」なのか「1000年前から(ry」「5000年前から(ry」なのかわからない。たぶん2000年くらい前まで遡ると日本の先生の言っているように過去形あるいは人称接尾辞の用法がトルコ語オリジナルとは言えない根拠が見つかるのだろう。この辺は他のチュルク諸語を追いかけるといいかも知れない。

ともあれ、おいらは日本語ネイティブだけど日本語の文法がどのように形成されたかなんてことは知らない。おそらく国語の教師でも特に趣味として研究しているのでなければ知らないだろう。トルコ語の教師もまた同様である。

クラスメイト

クラスメイトの最大勢力はドイツ人である。これは行ってみて驚いたことの一つ。どういうわけかトルコ人は就労目的でドイツに行き、仕事は奪うわ、ドイツ語は覚えないわ、独自のコミュニティは作るわでトルコとドイツは仲が悪いのかと思っていた。日本にも似たような問題はある。

ところが来てみるとイスタンブルはヨーロッパ人がたくさんいる。しかもイスタンブル大好きみたいな感じで好意的。今度、トルコ人の彼女と結婚するんだとか両者の関係は予想外によいようである。ただドイツ人とトルコ人の結婚は何かと面倒臭いらしいけど。偽装結婚でない証明とか、本人確認とかかなり煩雑らしい。

アメリカからも結構来ている。アメリカの英語学校教師がトルコ系の生徒が多いために自分自身がトルコ語を覚えるんだとか。

あとギリシャ、ノルウェー(彼もトルコ人の彼女がいて国際同棲中)、オランダ、デンマーク、東トルキスタン(自分のことを中国人とは言わない)あたり。日本人はあまり多くないけどいるいはいる。夫の仕事で来たというご婦人を見かけたことがある。

東トルキスタンの人は英語が全くできない。でも中国語ができるから会話はできる。一方でヨーロッパ系はほとんど英語のネイティブスピーカーである。アメリカ人はもちろん英語だし、教室内の共通言語は英語。一応会話はできるけど、ネイティブ並みの連中がジョークを飛ばし合っている中に入るのは結構キツい。一方で中国語はおいらしかわからないようだ。

ヨーロッパ系の人がトルコ語を習う理由はヨーロッパ学を大学でやっている関係という人が二人、あとは恋人がトルコ人というのも二人。本人あるいは夫の仕事の都合という人も結構いる。

ときどき一緒に食事に行ったりもするし、とりあえず学校では楽しくやっている。