社会の責任・大学の責任

広告

大学のランキングですが

News Weekなどでよく世界の大学ランキングみたいなのをやっていますが、あれは上位はほとんどアングロサクソンの大学です。ラテン系すらろくに載っていない我田引水ランキングなので気にする必要はないような気もします。

理系の評価は論文引用数で

文系の実績は知らないのですが、理科系は論文引用数で評価するのが普通です。よい論文を書くと、世界中の研究者がそれに基づいて論文を書きます。それを「引用数」ということでカウントします。ぬるぽ論文はいくら書いても引用されないので、よい論文をどれだけ出しているかの指標になります。

1997-2007 日本の研究機関ランキング

トムソンサイエンティフィックの「1997-2007 日本の研究機関ランキング」を見てみましょう。

順位 世界順位 機関名 被引用数 平均被引用数

1

12

東京大学

917797

12.81

2

28

京都大学

638174

12.32

3

33

大阪大学

566083

12.66

4

65

東北大学

401985

9.56

6

104

名古屋大学

296621

10.53

7

123

九州大学

267992

9.21

9

142

北海道大学

239374

8.54

10

162

東京工業大学

223871

9.01

12

223

筑波大学

171924

9.56

13

279

広島大学

136637

8.35

15

299

慶應義塾大学

127466

10.11

16

300

千葉大学

126932

10.33

17

343

神戸大学

108292

9.63

18

345

岡山大学

108056

8.13

19

373

東京医科歯科大学

99197

12.94

20

378

熊本大学

96184

12.14

東大12位、国立は結構強く、私立はいまいち

2chの偏差値厨にはショッキングかも知れないけれど「地底」とか言って蔑んでいる大学は意外と強いのです。逆に私立は弱い。まあ、学生からしたらおもしろおかしく遊んで過ごして、コムヌケーソンか(?)でしたっけ、聞いたことないけど、そういう力をつけていい企業にいく方が大事で、研究力なんか関係ないわけですが。そういう点では私大の方がいいでしょうね。

単独の分野では世界屈指もある

材料科学では東北大が世界3位、物理学で東大が世界2位、化学で京大が4位、生物・生化学で東大が3位です。キングオブオナニートの生物系ですが、東大なら実は世界で戦える実力があるのです。

ばいおとの違い

ばいおは大学批判をしていますが、私は大学には恨みはないというか、東大はいい大学だったと思っています。この辺は違いますね。幸いにも、東大は優秀な教員は多かったし、話をしていても楽しかったと思っています。

ただ、社会性はないというか、就職活動にはまるで関心を持っていないし、人によっては就職活動を妨害する人もいるのは確かです。そういう人はたくさん見てきました。そうでない人もいるんですけど、大学は社会性の低い人の密度が高い場所です。

じゃ、誰が悪いのか

私が悪いと思うのは日本社会です。大学は特殊な場所ではあるし、社会のニーズの変化に追いついていないとか批判されるべき点はありますが、東大がダメだとは思いません。

最大の癌は企業

まず、日本は新卒至上主義、なんだかんだ言って終身雇用なのです。来年度以降はまた就職氷河期を迎えるでしょうが、つまり09年卒までの人は「売り手市場」で、人並みに努力していればたぶん一生ほどほどに過ごせるでしょう。10年卒の人はたぶん駄目です。09年卒の人の倍の努力をしていい大学に入っても、09年の人の生涯所得に遙かに及ばない所得しか得られないでしょう。転職市場も未成熟で、また会社も転職を妨げるような文化があります。これが日本の癌の1つ目。

日本の企業は基礎研究を好みません。やっているのは、ごく一部の経営体力のあるところだけで、これでは大学のオナニートを受け入れるには不十分です。目先の利益しか見えないというか、社会のために貢献しようという考えが希薄なのです。

その体質が如実に表れているのが、経団連を中心に派遣労働についての規制緩和、それに伴う非人道的な派遣、特に日雇い派遣を推進しました。よく「小泉改革が〜」とかスケープゴートを持ち出しますが、黒幕は経団連ですよ。某自動車メーカーなんて何兆円も利益(注:売り上げじゃないですよ)を上げていて、下請けいじめとか、派遣を使い捨てとかしているわけです。こういう自己の目の前の利益しか見ない企業ばかりなのが日本の癌の2つ目。

他の細かい癌

まず政府がアホです。特に経済観念がまったくない。政治家も政治はわかるようだけど、経済に強い人がほとんどいない。いても高い地位に立たない。財務大臣なんて大きなポストだから、能力よりも力のある政治家に与える恩賞になっています。どう見てもガッツ石松みたいなおっさんが財相ってどうですか?ポールソンと並んだらどう見ても見劣りするでしょう?

さて、どっちが元財相でしょうか?ポールソンもハゲだし、別に顔で選ぶなって言う訳じゃないんです。自分だって人のことは言えません。しかし、どう見ても知性や能力で選んでいない。

英語が喋れない

日本は英語をまともに使える人がとても少ない。英語が流暢なのは親が海外赴任があるとか、いわゆる世襲によるものが多いのです。もちろん、自分の努力だけで英語力をつけた人もいますけど、多くの人は東大生であっても英語でディスカッションや面接を受けることはできないのです。

英語ができないだけならいいけど、言語力がないということは海外に出て行くことが難しいことにつながるのです。英語は喋れないけど、アメリカに行って採用面接を受けるのは怖くねーぜ。ボディランゲージまんせーなんて人はまずいません。そもそも、バスに乗るのだって習慣が分からないと結構大変です。地方の人は後払いのバスが多いけれど、都内は先払いなので当惑してしまうことがありますけど、海外はあんなもんじゃないですよ。まさに右も左も分からないって人はたくさんいます。

言語力やモチベーションをくじく様々な障壁によって海外へ行かせないことで、非人道的な色々な問題を抱えながらも日本で堪え忍ぶしかない人は多いのです。これはかつての植民地支配とか奴隷支配の構図に似ています。社会性を奪っておいて逃げられない状況を作って、酷い環境でこき使う。

日本でダメなら海外に出るしかない

他にもリア充至上主義だとか言いたいことはあるけれど、私は今の日本で歪んでいるのは大学ではなく社会だと思っています。たとえオナニート研究であっても、そこそこの実績を東大で残せば世界で通用します。それなのに社会はそれに応えない。

社会的な問題というのは個人の力ではどーにもならないから、社会的な問題と言われるのです。団塊の世代は学生運動の世代というか、根性世代なので「なぜ戦わない?」みたいなことばかり言ってウンザリですが、労働組合を解体したり戦って何とかならないように社会を作り上げたのは世間で「現代日本を作り上げた功労者」と呼ばれる人たちです。

戦っても勝てない。日本にいたらワーキングプアか社畜になるしかない。だったら出て行く。幸いにも大学は世界で通用する力を与えてくれた。これを武器にのし上がってやる、というのが私のスタンスです。

でも、就活ばっかやっていて研究サボって、おまけにプライドずたずたになった私がそこまで頑張れるかどうかは不明です。とほほ。