Business Media 誠に「録画番組、9割が視聴時にCMをスキップ」という記事があった。
番組そのものよりCMが面白いとか、10年後に価値を持つのはむしろCMの方とか色々な意見があるが、ここでは番組そのものに関心があってCMには関心がないという前提で書く。
レコーダーはヒット商品
HDDに録画するレコーダーが普及したのはいつ頃か知らないけど、ここ10年くらいではないかと思う。とするとここ10年くらいでヒット商品は色々あるがレコーダーはその1つに入ると思う。
おいらの指す商品は価格.comなどではよく「DVDレコーダー」と言われるようだ。たいていHDDとDVDがついていて、DVDに記録できるようになっている。一方で「HDDレコーダー」というジャンルもあるが、これはイメージとちょっと違う。ただ、おいらはDVDに記録したことなんかお試しで数回しかしたことがないので、HDDレコーダと呼ぶことにする。むしろ光学ドライブは要らないから価格を下げて欲しい。
それ以前主流だったのはVTR(ビデオテープレコーダー)だろう。ところで未だにテレビでは「ではVTRどうぞ」と言うけど、テレビ局ではまだテープを使っているのだろうか。「ブラウン管の向こう側の君」くらい時代遅れの表現だと思うのだけど。
ビデオテープとの最大の違いはランダムアクセス性だと思う。テープで現在の再生位置からの残り残量が20分しかないとき、30分の番組を録画できない。他の位置に10分ぶんの要らない領域があっても活かすことができない。だから、30分の番組を録画するときは残り残量および、もともと録画してあった番組を確認しないといけない。間違えると上書きをしてしまって大事な番組を失ってしまう。
他にもテープとは関係ないがEPG予約録画とか直感的なインターフェースで予約録画ができるようになっている。親と同居している人は「ごめん、急いでいるから○○録画しておいて」というと、まあまあ適切にテープの残量を確認して予約を入れるという面倒な作業をやってくれる場合もあるが、一人暮らしの場合は時間がないから諦めることもあるかも知れない(心がけが悪いのが原因なのだが)。
ライフスタイルが一変する
このようにランダムアクセスが可能なHDDレコーダがあるとテレビに関するライフスタイルは一変する。
VTR時代は面倒な作業ゆえ見たい番組があるがテレビの前にいられない状況でのみ録画を使っていた。しかしHDDレコーダではそれほど強く見たいと思わなくてもとりあえず予約を入れておくというスタイルが可能になる。VTRのように上書きされる領域になにが録画されているかとか面倒な確認をしなくても適切に録画されるからである。
こうすると、ほどほどに関心のある番組が常に複数HDDレコーダ内にストックされているという状況が生まれる。
ストックがあるとどういうメリットがあるか?ひとつ強調したいのは、現在見たい民法の番組があるとしよう。30分の番組だとCMとかオープニング、エンディングに関心がないと20分くらいしか中身がない。ここでテレビの前に座ってぼーっとしていると20分の内容を得るのに30分の時間を使ってしまう。さらに、番組の中のある特集にしか関心がないともっと時間の効率は悪くなる。テレビを見ながら作業する手もあるが、片手間なので効率はよくないと思う。
このようなケースで録画ストックがある場合、現在放送している番組を見たいとしてもその番組を直接見るのではなく、録画をする。同時に待ち時間は別の方法で潰す。何か作業をしてもいいけど、ぼーっとしているときは録画ストックを消化するのがよいと思う。気分を切り替えるのはそれなりに労力がいる作業だから。そして、10分以上経ったころから現在放送中の番組を追っかけ再生で見れば、要らない部分は全部カットして見ることができる。
また意外なことだが録画したが見ないで消す番組があってもいいのである。見たい番組を録画するという先入観から抜け出す必要がある。こういう意味でHDDレコーダはたんなるレコーダではなくパラダイムシフトを起こす製品なのである。
HDDレコーダはテレビオタクのためのものではない
たぶん、現在テレビの前にいて暇にも関わらず、現在放送している番組を録画する感覚はその習慣のない人には理解しがたいと思う。
あるテレビを持たない友人がテレビに関心を持ったことがある。そのとき、PCはあるためPC向けのキャプチャカードを検討していた。しかし、おいらはHDDレコーダを勧めた。PC用ディスプレイでも最近はデジタル化のプロテクトのため、キャプチャカードがあっても対応モニタでないと表示ができない。モニタも同時に買い換えるとしたらHDDレコーダを接続した方がよいと勧めた。
その友人は結局キャプチャカードを買った。なぜHDDレコーダを買わなかったかの理由は、自分はテレビオタクではないということだった。これはひどい誤解だ。HDDレコーダは普段からテレビばかり観ている人が買うものではない。HDDレコーダを買うと言うことはテレビに支配されている時間から解放されると言うことで、時間を買うと言い換えてもいい。
結局、HDDレコーダを買うというのはライフハック(情報処理業界を中心とした「仕事術」のことで、いかに作業を簡便かつ効率よく行うかを主眼としたテクニック群)なのだと思う。単に便利だねというものではなく、情報をどう得ていくのかということに関わっているため、この重要性を理解することは情報化時代をどう生きるかにつながっていく。ストレートに言うと、大げさかも知れないけど10年後にかなり見識に差がついてくると思う。
家電業界もガラパゴス
ところで、Wiiというゲーム機のリモコンはBluetoothを利用している。こないだ、Wiiのリモコンを持ったまま移動して操作してみたらかなり遠くからでも正常に動作した。
一方で家電のリモコンはそんなに離れていなくても正常に動作しないことがある。何が悪いのかわからないけど、赤外線リモコンがあまりよくないのだろう。
また、HDDレコーダのインターフェースは一般によくない。まず動作が緩慢である。ホリエモンが最近ブログで
そう考えるとあのデジカメのスライドショーのインターフェイスは最悪だよな。閲覧のスピードも遅いし。そりゃそうだ。糞みたいなチップしか積んでいないんだから。パソコン用には速いチップ積んでんのに、なんで組み込み機器になると手抜きするのだろうか?あ、手抜きじゃなくってそこがメインじゃないから?
と疑問を呈していたが、HDDレコーダでもそれは言える。ホリエモンは前述のライフハックという点ではかなり進んでいて、色々批判はあるけどそういう姿勢を見ていると頭のいい人なのだろうなあと思う。で、この点についてもホリエモンに同意。
HDDレコーダは重要なガジェットだと思うけど、それを作っているメーカーが時代について行けていないなあと思う。そういう点では去年の秋に発表されたソニーのGoogle TVはいい流れである。テレビでもレコーダでもコピー機でもある程度のインターフェースを必要とする機械にはAndroidとかフリーでかつ性能のいいOSを持ってくるのが正しいのではないか。キヤノンだったと思うけど、新製品のコピー機のインターフェースを自慢していたけど、iPadなんかと比較するとかなり劣っているものを堂々と出してくるあのセンスは何とかならないのかと感じたのを覚えている。
また、最近のauのAndroidケータイも独自アプリがてんこ盛りだが、そのアプリができがわるいらしい。
IS03の動きがもっさりしていると感じている方、それは純正のホームが原因だったりします。本日ご紹介する「LauncherPro」はサクサク動く、かなりオススメのホームアプリです。
どの記事だったか忘れたけど、あちこちでこういう報告はある。Androidケータイを作っても結局はガラケーの感覚が忘れられずよけいなことをしてしまう。何でもかんでも自前で作らないといけない強迫観念があって、それで出来の悪いものを手間暇かけて作る。
HDDレコーダもご多分に漏れずもっさりインターフェースが採用されている。余計なところで自前主義に拘らずに、安くてよいパーツ(ソフトウェアを含む)を手に入れてきて、安価でよい製品を作って欲しいものである。
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