台湾5日目

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まずはコメントの御返事をします。

POSTED BY あ ON 2010年9月12日
台湾いいですね。11月に学会で教授と2名で台湾に行くのですが、台湾の国民の方々は
簡単な英語とか通じますか(道を聞いたら答えてくれるとか)?自分自身が英語の能力があまり
無いのでちょっと焦ってますが、向こうの雰囲気はどうだろうかと聞いてみました。

おいらの私感ですが、英語はあまり通じません。たぶん日本より悪いです。勝手に推測すると、中国語は外来語をほとんど漢字に置き換えています。例外もあり、珈琲(かーふぇぃ)とか漢堡(はんばお=ハンバーガー)とか意味より音を重視している言葉もあります。けれど、多くのものは外来語をそのまま用いるのではなく中国語にして使っています。明治期の日本みたいですね。中華人民共和国のうち中華はともかく「人民」も「共和国」も日本で外来語を漢語に翻訳したものだそうです。

そのせいか、日本ではカタカナ英語を使っているようなものですら英語が得意でない台湾人は英語では通じないこともよくあります。日本では発音はカタカナ化して変なことはあっても、かなり英語をそのまま使っていますから意外と日本人は英単語の知識はあります。

適当にでっち上げた例なのででたらめですが、仮に「(電子)メール」という言葉を伝えたいとします。英語が苦手な台湾人に「メール」と言っても伝わらない可能性があります。

じゃあどうするかですが、ノートを一冊持って行くことをお勧めします。漢字圏は筆談でかなり通じます。メールはよく知らなけど電子郵件なのかな、発音がわからなくても漢字を書けばなんとなく通じますし、相手の言っていることも意外とわかります。中国本土は簡体字で特別に勉強しないとわからない文字が多いけれど、台湾の繁体字は日本の旧字体と(ほぼ)同じですので対応は容易かと思います。

中国語は漢字の発音が現代日本とずいぶん違うのですが、熟語はかなりの確率で同じ意味で通じます。もちろん例外はあります(手紙=トイレットペーパーとか)が、概ね大丈夫です。

道を聞くとしたら、簡単な中国語を覚えておくといいでしょう。中国語で「〜はどこですか?」は「在哪裡(ざいなーり)」です。台北駅を知りたい場合は「台北車站在哪裡?」と聞けばOKです。駅という字が違うとか、在哪裡とか、ちょっとしたことを知っているとだいぶ楽です。発音が難しければ書いてもいいけど、日本ではあまり使わない字なので事前に練習してみてください。旅の中国語は文法をきっちりやる必要はなくて、よく使う表現を10くらい知っていればかなり役に立ちますのでお気軽に勉強してみると楽しいですよ。

余談だけど、中国だと「アル化」をよく使うそうで「在哪兒(ざいなアル)」になるそうです。台湾ではアルはあまり使いません。

台湾5日目

かき氷屋のお姉さんと歓談して民宿に戻り、iPhoneで航空券を予約しようと思ったら、なんとInternet Explorerでないと正常に動作しないサイトだった。そんな酷いシステムを使っている航空会社しかないとは、澎湖というのは恐ろしいところだと思った。仕方がないので前日は寝て、翌日は朝から船に乗るので、七美から帰ってきてから空港に行くことにした。

七美・望安

7:30から船に乗るために5:30くらいに起床して6:30に民宿を出た。そうしたら、たまたま民宿のおばちゃんがいたので挨拶をしてちょっと話をした。

コメントとも関連があるけど、民宿のおばちゃんは英語がまったくできない。日本語もダメなので中国語でなんとか伝えるしかない。もう「行きたい」という語すら英語でI want to goとか言っても全然通じない。我想去とか言う必要がある。おいらは日本では非コミュってことになっているけど、これだけ中国語で会話できれば非コミュニケーション系ではないよね、と勝手に思っている。

ともあれ、これから七美に行きたい。船が7:30に出るので急いでいるみたいな話をしたら、チケットは持っているかとか色々聞かれた。まだ買っていないとか話をすると勝手に電話をかけて、値段を伝えてきた。お金をおばちゃんに渡すと港まで車で連れていってくれて、そのままツアーガイドに話をつけてくれた。おばちゃんは14:30に迎えに来るからと言って去っていった。

船は高速船のようでかなりスピードが出ていた。時速60kmくらいで走っていたのではないだろうか。ただ乗り心地は最悪で、ときどき岩礁に乗り上げたのではないかというくらいガツンという衝撃が伝わったし、激しく上下した。大きく揺れるときは周囲がざわめいて、ちょっとした遊園地の乗り物のようである。

七美

七美は思ったよりだいぶ遠く、1時間ほどの船旅だった。七美まで入る地図だと澎湖島がこんなに小さくなるくらい距離がある。そのため最後の方は軽い船酔いで気持ちが悪かった。

七美の港は案外賑やかだった。七美は港の他に空港まであるので案外開発が進んでいるのかも知れないなんて思ったが、それはあとで勘違いだと気づく。港には例によってレンタルバイクの店がたくさんある。さて、どうしようかと思ったところ、ツアーガイドにバスがあるから来いと言われて付いて行った。おばちゃんが過不足のないツアーを選んでくれたらしい。

最初に連れていかれたのが七美人塚というところ。かつて七人の美女がいて海賊が差し出せと迫ったところ、好きでもない男と結ばれるくらいなら自殺すると言って井戸に身を投げて死んでしまったことから七美という名前になったそうだ。井戸に身を投げるとそこから木が7本生えてきたとかある。

ただ、ここの入場料がたしか30元だけどおいらはチケットがなかったから買うことになった。他のツアー客は持っているようなんだけど、何かの手違いかな。

七美人塚は大して面白いものではないのですぐに飽きてバスが車で周りを見ることにした。なんというか何もない島である。小さく見える黒い点は牛のようだ。のびのびと育っている。

道には放し飼いの鶏さんが歩いている。車が来るとちょんと飛んで縁石に乗って避難したり、追いかけまわす悪ガキがいると猛スピードで走って飛んで逃げていく。こいつを捕まえようと思ったらかなり大変だと思う。鶏舎でギュウギュウ詰めになって飼われている鶏と違って健康的でよい。

そうこうしているうちにバスが戻ってきて移動する。何箇所か回ったけど、これは有名な雙心石滬(二重ハート)の魚を取るトラップ。残念ながら潮の満ち引きの関係で水の中にあったけど、干潮になると中に魚が取り残されて労せずに食料が手に入るというもの。廃人気質のおいらは人の少ない南の島でこういうトラップを仕掛けてぼーっと待つ人生も悪くないと思ったりして。

他にもいくつかの場所で止まっては景色を見て、港に戻った。朝から何も食べていないので、白身魚をすりつぶして揚げた、さつま揚げみたいなものを2串注文して朝食とした。ここで軽く食事をとっておいたことは正解だった。

望安

船に乗って望安に移動。すぐに食堂に移動するのだけど、どういうわけかおいらの食事がありません(><*)七美人塚のときもそうだけど、どうもちらほら不備があるみたい。チケット類はまとめてもらったけど、入っていないものもある模様。ツアーガイドが「景色がきれいだから散歩しておいでよ」と言うので海に向かって歩いた。

これが正解で実に海が美しかった。砂が薄い茶色だったため水が文字通り水色に透き通っていてとても綺麗な海岸。これは質素な食堂で何か食べている場合じゃない。七美の港で軽食を取っておいたし、特に空腹に苛まれることもなく海を堪能できた。

お花が咲いていた。

珊瑚も転がっている。貝殻と同化している。珊瑚が砕けて白い砂になると海が青くなるらしい。

綺麗な海。しばらく波打ち際で海を眺めたり、変な虫みたいなのとか蟹と戯れていた。その後、時間が来たので食堂前に戻りツアーと合流。食事をしていた人たちはこの海を見られなかったのは残念。

中社社區というところらしい。まだ誰か住んでいるのか知らないけど、石を積んで作った趣きのある住宅街。そのへんに転がっている石は珊瑚であることも多いので家の壁に珊瑚が見られる。

井戸がある。呼び水をしなくても水が出てくるので今でも使っているのかも知れない。ポンプに「ケホ号・津田型」と書いてあった。「号」は新字体である。ガイドが日本がどうのこうの言っているけど難しくてわからない。日本統治時代に整備したのだろうか。でもポンプが新字体。あとで気づいたけど、民宿の井戸のポンプもこの津田型だった。

津田といえばつだーる様はどうしたんだろう?ぐぐってみたら意外なことがわかったけど、息災かな。

まだまだ続く趣きのある家。

至る所に珊瑚が置いてある。

七美もそうだったけど、観光客が来そうなところには露天があり色々売っている。小さい子供が歌を歌ったりして客引きをするのだけど、この子たちは学校に行かなくて大丈夫なのだろうか。夏休みなのかな。途中で健康にいいというツバメの巣ドリンクを買ってみた。変な味である。

丘に来た。見晴らしがいい。あとよく見ると周りはサボテン(仙人掌)だらけである。台湾では仙人掌のかき氷なんてのもあり、食用にもなるらしい。かき氷屋に行くとケースの中に果物と一緒にサボテンの茎(葉は針みたいなのらしく、葉に見えるのは茎だそうだ)が入っていたりする。

サボテンの花も咲いている。サボテンの類は月下美人とか綺麗な花を咲かせることもあり好んで育てられると聞くけど、確かに小さくて可憐な花だと思う。

澎湖島

一通り望安を巡ってまた船に乗り澎湖島に戻った。望安は七美より澎湖島に近いため帰りの船旅はそれほど不快ではなかった。

港に着くと14:15で約束には15分ほど早い。でも、民宿のおばちゃんは港にいてくれて待つ必要がなかった。朝、港に来るときに「今日、高雄に発つから友達に挨拶をしたい」と言ったけど、よく考えると空港で航空券を予約しないといけないし、バイクが欲しかったので民宿に戻ってもらった。飛行機は19時過ぎの最終便を使おうと思ったから時間の余裕はまだある。

民宿に戻ると、すでに荷物はまとめてあるので、いったんそこに置かせてもらってバイクで空港へ。しかし航空券は全て満席だった。小さい飛行機だから仕方ないけど、オンラインでの購入にInternet Explorerしか使えないのにこれでは困る。仕方がないので船便を探すことにしたけど、これもダメ。結局、翌日の夕方16時の飛行機で高雄に行くことにした。それから民宿に戻りもう一泊させて欲しいと伝える。部屋に空きがありすんなりOKで、今度の部屋はベッドが1つである代わりに宿泊費が安かった。

やることがないので、またかき氷屋のお姉さんのところに入り浸る。本当はじゃーねーって言うつもりだったけど、また明日来るねに変わった。お姉さんは携帯の写メでおいらを撮影して、おいらも携帯で写真を取らせてもらった。明日、カメラ持ってくるから一緒に記念撮影しようというと、お洒落をしてくるねって言ってくれた。あと電話番号やメールアドレスの交換をして、誕生日の話とかもした。お姉さんは英語はほとんどできないので、中国語だけでこれだけ話せたということは大きな前進だと思う。言語って意外となんとかなるものだと改めて感じた。

また閉店の時間が来たのでバイクで民宿に戻った。民宿の前にはレンタルバイク店のお兄さんがいた。疲れていたけどしばらくお兄さんとも色々話した。彼は台湾語ができた。なぜなら彼のお母様は台湾語話者らしい。おいらが台湾語をカタコトで話すと喜んでくれた。台湾語で日本人は「じっぷんらん」という。日本語で「元日」と書いて「じつ」と読むのだから比較的わかりやすい読みである。教科書によっては「りっぷんらん」と書いてあるけど、何人か話したところみんな「じっぷんらん」と言っていた。

この日は飛行機の当日予約が取れなくてひどい目にあったけど、おかげでたくさん喋る経験ができた。そのことは素直によかったと思う。明日は夕方に高雄に着く。

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