日テレNEWS24に『「新人切り」男性が会社相手に労働審判』とあった。
企業に入社した後の試用期間に新入社員に退職を強要する「新人切り」の労働組合への相談件数が増えている。そんな新人切りにあったという男性が会社を相手取り、労働審判を申し立て、22日、審判が開かれた。
訴えたのは、今年春、京都の大学院を卒業し、東京・品川区にあるコンサルタント会社に採用された男性(25)。
申立書によると、入社初日、男性は始業の15分前に出社したが、「ほかの人はもっと早く来ている。意識が足りない」などと罵倒(ばとう)され、一日中、反省文を書くよう命じられたという。
男性は「自分に何が足りていないのか、改善の方法とかを一日中書かされて、読みづらいからまた書き直してこいと言われて、その繰り返しでしたね」と話した。
入社9日目には、会議室で2時間にわたり退職を強要され、届けにサインしたという。
男性によると、会社側から「しんどいやろ?一生、反省文を書いていきたいの?」「給料だけもらって、ずっといるつもりなの?」と言われ、男性が「辞めろってことですかね」と尋ねると、会社側は「だって、もういてもしようがないよね」と答えたという。
このため男性は会社を相手取り、約800万円などを求める申し立てを起こした。会社側は審判で「退職強要はなかった」と主張し、男性は「とことん闘いたい」と話している。
これは『「新卒切り」に気をつけて 甘い採用計画、新人が「調整弁」』の続報のようだ。
800万円で足りるのか
リーマンブラザーズの内定切りは噂だと1,000万円だったらしい。こちらは卒業前だったのもあって、今回のケースでは誠意を見せる(社会人として当然ですよね)ためには、もっと上乗せしていいんじゃないかと思う。最初から育てるつもりがなく、内定切りで晒されたくないから入社後にパワハラで追い出すのはより悪質。保身のために一人の人生を破壊した。
懲罰的損害賠償を考慮すると、もっととんでもない金額でもよかったと思う。懲罰的損害賠償はしばしば何十億円にもなる。アメリカだと兆の単位まで上がることもあるらしい。交通事故で死亡してもせいぜい数億円であることを考えると、行きすぎでもあるとは思うけど、こういう反社会的企業は滅んだ方が長期的には日本にとってプラスだと思う。ブラック企業も潰れれば失業者は出るけど、そういう会社がなくなる方がメリットが大きいと期待する。
企業には社会的責任があり、環境だとか労働問題には真摯に取り組むべきとされる。社会的責任を果たさない企業やその構成員が社会人を名乗るのはどうなのかな。
自分がもし800万円を取れたらどうするかを考えてみたが、新卒ではないし十分な職歴があるわけでもないので日本でのキャリアは暗いだろうから、留学でもしてそのまま海外就職をするだろうか。800万円はそうした準備には十分な額ではあるけれど、かなりリスクを背負い込むから、その分は多めでもいい。
マツダ工場暴走事件
あちこちで報道されているけど、マツダの元期間工が車で工場勤務の人をはねて殺傷した事件。誰でもすぐに思い浮かべるのは、秋葉原でのあの事件だと思う。両方とも期間工がクビになったことが原因になっている。
今回亡くなった方は別に被疑者の上司だったとかパワハラをしたとかはない点でも秋葉原の事件と重なる。関係ない人を殺すなよ。関係ある人なら死んでいいとは言わないけど、自動車産業というのは日本社会の闇だなあとは常々思っている。日本は周辺産業を含めてこんな先のない産業にずいぶん傾斜して成長してしまった。
雑感
海外ニート氏のブログと同じようなことを書いても、彼ほど清涼感がないのはブラック企業/社会の横暴に対して、こちらもある種の力で対抗しようとしているのが良くないのかも知れない。ブラック企業は社会人失格みたいに言うのは不毛で、彼のように日本を捨てて幸せになろうというほうがいいのかな。
ある説得術の本に大雑把にわけて「燃えさかるビル」アプローチと「約束の地」アプローチがあるとあった。燃えさかるビルは、このままだと大変なことになると危機を煽る方法。約束の地はこうすれば幸せになれますよと説得する方法。海外ニート氏は約束の地アプローチのようだ。おいらは今のところ、出来の悪い燃えさかるビル。このままだと酷いことになるといいつつも、具体的に火事を止める方法は社会が制裁を加えろとか他力本願なのが問題。
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