総長の目安箱に入れた手紙は必ず読むらしい。オナニートの怒りをぶつけるにはちょうどいい機会である。しかし、オナニートにも矜持はある。腐った生卵を放り込むような頭の悪い真似はしたくない。というわけで、文章の書き方からスタート。
社会科学の論文の書き方
私は文科系ではないので、文科系の論文の書き方はとんと詳しくない。理系の場合、なぜ研究するのかを書いて、方法とか紹介して再現パスを示して、結果を書いて考察するというのが大雑把な流れだけれど、文科系は少し違うらしい。文系の学術論文の書式は、基本的に各々の専門分野でスタンダードなものとなっている査読誌・研究報告などに準拠しておけばよさそうだ。最近「大学生における準ひきこもり行動に関する考察」を読んだけど、あれはちょっとひどい。高校の文化祭の出し物程度である。学歴厨は嫌いな人種だけど、あれで博士号ホルダーとなると、やはりある程度の教育は必要だと感じる。
というわけで、ネットの論文の書き方なるものをちらちら見た結果が次のようなものである。
キャッチーな言葉を題に選ぶ
とりあえず、内容を最もよく表す短くて、内容をうまく言い当てる題をつける。
「問題の場」problem area, subject areaを明確にする
扱おうとしている問題をできる限り特定化することを心がける。「問題の場」が決まったら、この問題を扱った著名な標準的文献を少なくとも1冊は読む。標準的な文献を読了したら、「問題の場」から自分が扱おうとする「トピック」を疑問系で抜き出す。
関連文献をゴリゴリ読む
決まった「トピック」を明らかにする上でで必要と思われる文献を少なくとも15冊以上リストアップする。
とりあえず下書き
まず、紙何枚かに書きたいことをまとめる。情報化時代なのでパソコンで書いてブログに晒すのでもいいだろう。その際にテーマとの関係で最近読んだ本としてどんなものがあるか文献リストを作成する。
章を構成する
序論、1章、2章、3章、終章というようにテーマを分割し、何を自分が書いているか明確にするため章の題も必ずつける。序論には、なぜこんなテーマにしたのかを平易に書く。序論を書くのは最後でいい。
例えば次のような構成にする。1章で解決する問題を明確にする。2章で1章の問題設定にあう現象、あるいは資料(データなど)を整理する。3章では、1章の問題と2章の資料を結びつける。終章は、全体のまとめで、問題の解決を論じる。
再び書く
何でもいいから、どこの章からでもいいから、書きやすいところから書く。考えて書かない。とりあえず、書く。章の順番通りに書く必要はない。あとで並べ替えればよい。
書き直し
今までは準備運動で、論文を書くというのはここから始まるらしい。考えて書く。
文章は短くする。長い文章は出発点と終着点がつじつまが合わなくなり、また読みにくい。読者を意識して書く。
指示語(それ、これ、その、この)は極力使わないように気をつける。指示語を他の言葉で言い換えてみる。言い換えてみて、指示語なしで文章を書けるなら指示語をやめる。
接続語(そして、であるから、それで、すると)は使わない。接続語を別の言葉で言い換えてみる。一つの接続語が一つの段落にならないか考える。段落の書き始めに接続語は使わない。多くの場合、ごまかしになる。段落の初めの接続語は多くの場合、論理の飛躍につながる。一段落、一テーマの原則を確認する。
段落は小さく。文章が短ければ段落も小さくなる。段落の最初の文章(ヘッド・センテンス)が、その段落のテーマである。ヘッド・センテンスを説明すればその段落はおしまいである。新しい段落へ。ヘッド・センテンスの内容を越えることをその段落で書かない。「一段落、一テーマ」の原則を守る。文章の展開は段落でする。
言葉の重複を避ける。同じ言葉・語句を繰り返さない。同じ意味の違う言葉を使う。
カギカッコでくくった文章が直接引用である。「」があると、これには典拠があると読み手は考える。引用したら引用注をつける。
とりあえずの完成
読み返して矛盾している箇所を書き直す。全体の一貫性を保つための、最後の大仕事である。
最近のコメント