日産の配当利回りが6.26%
銀行預金が雀の涙の金利しかつかないのに、日産株を持っていると6.26%も配当が来るという異常事態です。もちろん、税金は引かれるし、減配という可能性もあるし、株価がさらに下落するかも知れないリスクプレミアムも考えないといけませんのでフェアとは言えませんが。
日産のPBR(純資産倍率)が0.78倍
色々な思惑で株を買う人がいますが、オーソドックスなのは「1万円入っている財布を8,000円で買い、12,000円で売る」ようなものです。本来1万円(+財布自体)の価値があるものが、どういうわけか8,000円で売られていたら買いで出動し、逆に高いときがあれば売ります。こういう買い方をファンダメンタルで買うとか言うようです。
PBRが1倍というのは、そういう意味で境目になる数値です。PBR1倍の株価で企業を買収できたとしたら、会社の解散をして、負債を全部返済して残った資産を株主で分ければ損も得もしないというラインのはずです。PBR0.78ということは、会社を買収して解散すると儲かると言うことです。
つまり、どっかのハゲタカが日本を代表する企業の1つである日産を金目当てで買収して消滅させることができる株価ということで、ここで放置されている日本ってすごいと思います。
持ち合い天国・買収防衛策天国
だいぶ前になりますが、ブルドックソースという会社はすごかったです。短大卒業後に入社するのですが、入社の際の面接で「私、半年しか勤務できないんですけど、いいですか?」と言った豪傑のおばちゃんが率いているあの会社です。普通、寿退社を狙っている人でも、女はすぐに辞めちゃうと言われないために嘘をつくのが当たり前なのに、すごく素直な性格をしているようです。
その会社で、株を分割(株数をr倍にする)して他の株主の持ち株比率はそのままに、買収を仕掛けたスティールパートナーズに対しては子株を割り当てないという荒技を押し通してしまいました。豪腕社長といったところで、たぶん世界中(少なくとも日本中)は仰天しました。
つまり、日本の場合は実質的に会社は買収できないので、日産の株価が10円であっても、さらにたたき売る人がいる限りは、株価はさらに下がっていくということです。堅苦しい言葉で言うと、日本株はファンダメンタルで買ってはいけないということです。これは私が勝手に言っていることじゃなくて、だいぶ前にウォールストリートジャーナルにも書いてありました。
他にも株の持ち合いだとか、JPOWERの政府の干渉だとか、色々あるため、日本株は単なるマネーゲームのツールでしかありません。つまり、株価が上がった、下がったで遊ぶだけの代物です。本来の株主権を行使するためのものではないのです。もし、そんなことをすれば、会社も政府も同業他社もこの世の終わりかのように慌てふためき、前例がないとか何とか言って、無茶苦茶な策を持ち出してきます。
新興市場壊滅
少し前にライブドアが検察ファッショによって潰された事件がありました。投資家というのはめざとい人が多いので、多くの投資家は「日本は新興企業を育てる気はなく、小遣い稼ぎをしている程度なら見逃してやるが、本気で大企業に牙をむいたら政府をあげて潰す」と受け取ったようです。事実、あれから新興市場はぱっとしません。普通、新興企業の株を買う人は、将来GoogleやMicrosoftのようになると期待しているのに、絶対にそんな会社は出てこないし、出させやしないと気づいたからです。
個人投資家もずいぶん討ち死にしたようです。もともと、国内の勢力は個人・外資・その他で成立していたものが、外資の天国になった瞬間です。
さらにアメリカ経済が・・・
いま、アメリカ経済が酷いことになっています。アメリカも金融救済策を否決したり、やはりどこの国にも頭の悪い人はたくさんいるようです。日本でも以前、同じことを言っていた人がたくさんいるのですが、金融の連中はさんざん金儲けしておいて、自分らがやばくなると税金で助けるのかと。
ところで、戦時中にナチスに抵抗し、ダッハウ収容所から奇跡的に生還した神父の記述があります。
ナチスが共産主義者を襲ったとき自分はやや不安になった。けれども結局自分は共産主義者ではなかったので何もしなかった。
それからナチスは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大した。けれども依然として自分は社会主義者ではなかった。そこでやはり何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ教徒が、というふうにつぎつぎと攻撃の手が加わり、そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。
さてそれからナチは教会を攻撃した。私は教会の人間であった。そこで自分は何事かをした。しかし、そのときにはすでに手遅れであった。(マルチン=ニメーラー)
今後のアメリカは特に手を打たなければ「リーマンブラザーズが潰れた、しかし私はリーマン社員でないので気にしなかった。○○が潰れた、しかし私は○○業界で働いていないので法案には反対した。●●が経営危機になった、私は●●業界で働いているので政府に救済を求めたが、そのときは既に手遅れだった」となるんじゃないでしょうか。
日本経済の守り手はもういない
以前は外資に対して対抗勢力だった個人が、間接的にではありますが検察ファッショによって潰されました。海外の投資家も同様に新興市場へは関心を失ったでしょう。
いま、アメリカがぼろぼろで、売れるものは何でも売れ状態にあります。
もともと、日本の株式には欧米のような株主権を行使するという機能が事実上ありません。買って値上がりしたら嬉しい、値下がりしたら悲しいという代物です。マネーゲームと叩く人がいますが、そういう状況を作り出したのは大企業と政府です。
一度、トヨタとか新日鐵とか、日本を代表する企業が株安で買収されて解散させられたら目が覚めると思うのだけど、そんなことにはなるはずもなく、なりそうなら政府が横やりを入れるのでそんな心配はありません。
株価が企業の適正水準より安くなると、どこからともなく買いが沸いてきて株価を支えるというのは、化学で言うところのバッファ(緩衝液)の機能をします。極端な値動きを抑制しようという働きです。結果、経済が必要以上に悪く動くことが減ります。
今の日本経済にはバッファがないため、株価の底は見えません。株価が低いと言うことは資金調達もしにくいし、資金繰りが悪化して将来有望なはずの大企業が倒産なんてこともあるかも知れませんね。というか、マイナーな不動産会社が倒れても危機感を持つ人は少ないので、日本で十指に入る企業が2,3社倒れるまで気づかないのかも知れません。
でも、私はニートなのでたとえトヨタが潰れても関係ないんですけどね。つーか、大企業の大半に入社拒否されたし。
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