なぜIT企業はブラックか?その2

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人月の話

現在のIT業界の、某元国交相風に言えば「癌」の一つは人月にあると思います。

システムの値段ってどう決まると思いますか?シンプレクス・テクノロジーみたいに変わった会社もあるのですが、多くの場合は人月で決めます。質がいいから高価、質が悪いから安いというものではありません。

人月とは1人の労働者が1ヶ月かかるという意味です。で、だいたい1人月100万円くらいらしいのです。100人のチームが10ヶ月かけて作ったシステムは1000人月となり、システムの価格は10億円になります。

人月が決める給料の上限

1人月100万円としましょう。1年分で1200万円ですので、まったく経費がかからなかったとしても年収の最大は1,200万円です。実際は50%くらい回ってくればいいので年収600万円ということになります。これはあくまで平均値で偉い人はたくさん持って行くだろうし、下っ端は雀の涙になります。

何がまずいかというと、人月で計算している以上は残業をしようと休日出勤をしようと年に600万円しか給料を払えないのです。

品質に対して報酬を払うように

こうした人月によるシステムのコストの見積もりは、エンジニアの技術には無関心と言うことです。これでは技術のあるエンジニアはやる気をなくすし、酷い話では「品質のいいシステムを作ったらサポートで金取れないだろ?」みたいに言う人すらいます。

品質のいいシステムに高い報酬を払うという当たり前のことを実行して欲しいところです。

パッケージで販売する

人月で受注を受けている以上は給料の上限は決まっています。しかし、これをパッケージ化、つまりパソコン用ソフトのようにすれば状況は変わります。

まず、A社から受注を受けたシステムの権利を開発側が持ったままにしてライセンス販売をします。B社から8割方同じような仕様のシステムの受注を受けたら、手元にあるA社から受注を受けたシステムのコンポーネント(部品)を上手に再利用してBを組み立てます。これによってコストを下げて品質のいいソフトウェアを作ることが可能になります。マーケティングが上手くいっていれば、開発コストより十分に多い額の売上げを達成することも可能で、結果的にSEの給与が上昇します。