研究と教育は両立しないのか

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このエントリは「大学教授の学生のとらえ方」へのコメントです。

ここ数日、日教組の話が報じられているが

ついに大臣辞任にまでなってしまった「ごね得」と日教組バッシングですが、日教組って何だろうと思ってみると、大雑把に思想に偏りがあること、教員の保身団体(結果的に働かない、能力のない教員が増える)であることが言われているようですね。

流れない水は淀むというけれど、大学の教員の流動性の低さも相当なものです。他の大学に経歴ロンダリングする教員はいるけれど、東大にいると教授の頂点であるためかもう動くことはありません。性犯罪とか人間としてどうなのさ?って犯罪でも犯さない限りは一生安泰な職場です。

最近アメリカ厨だけど

アメリカは授業評価シートがきちんと機能していて、ダメな教員はすぐにカットされます。これは自分の実感でもそうだし、留学経験者は口をそろえて言います。さらに言うと名門大学に行かなくても教育水準は高いレベルに保たれるということになります。無名大学でも授業料を取る以上はダメ授業なんか許してくれません。日本は地方帝大くらいでも結構ぬるぽ教授がいますから驚くべきことです。ちょっと話をするだけでダメスイッチがONになっちゃうような教授。そんなにたくさん、他大の教授を知っているわけではないので運が悪いだけかも。

なお、東大はいい方だと思います。間違いなく教員のレベルは国立で最高レベル、それもダントツと言っていいでしょう。私大は聞いたところによるとサービス業なのでいいらしいですね。2chで叩かれているような大学ですら、国立に比べるといい教員がたくさんいるそうです。まず、教員の部屋のドアがWelcomeという感じで開いているらしい。

教育と研究は両立するか

私はすると思います。まず大きな問題は日本の国立大学では授業を軽視している教授が多すぎますが、これは授業評価などでだめ教員には辞めていただくという方向を徹底すれば本気で授業をするでしょう。よく聞くのは授業はぬるぽでも出世に影響はないが、研究はストレートに影響するという話。だから、授業の出来が教員の地位に影響を与えるようにすればいいのです。

研究も教育の一環

ぶっちゃけた話、修士課程くらいの学生だとよほどの天才でもない限りは教授の手伝いにはなりません。学会でもぬるぽ研究室の発表を聞いていると、何十年も研究してこの程度かというところもありますが、少なくとも東大ではそんなに低レベルの研究はしていません(あっても少数派でしょう)。

そうすると、純粋に労働力としてブラック企業のように酷使するか、アシスタントとしては期待しないで勉強をして貰うかということになります。前者を選ぶ教員はブラック研究室として、学生は単に無給の労働力として、卒業を楯に酷使されるだけになります。卒業を楯にって酷い話ですよね。大学・大学院中退あるいは留年させて他人の人生を破壊して何とも思わないわけだから。

後者の場合はちゃんと教育として機能します。また、一見ブラック研究室で潰されると思っても、耐えて研究していると1年が過ぎ2年が過ぎると研究能力が付いていることもあります。あとになって後輩の指導をすると、こんなこともできないのかと思うけれど、よく考えると自分も昔はできなかったなあと気づくことがあります。そのときの自分と後輩の間には非常に大きい研究力格差がありますが、これは研究でしごかれて養われたものです。似非ブラック研でも留年はありますが、それは教員の求める研究水準に達していないからです。私の意見ですが、修士号取得者は研究者のスタートラインに立っている(研究ってどうやるの?論文ってどう書くの?を理解している)必要はあるでしょう。研究の質については博士課程に任せることにします。

聞くところによると、大学によっては学生に逃げられると言うことで遊んで卒業できるところも多いのですが、そういうところを卒業しても研究力はついていません。入社して何か研究に携わるときに、遊んでいた学生は研究室配属直後の後輩と同程度(あるいはそれ以下かも)の能力しかないのに対して、自分は研究者としては半人前にしても、基礎的な研究手法はたたき込まれています。この差は大きい。でも、企業は研究能力より別のことを期待しているところが多そうですけどね。

というわけで教育として機能しているというわけです。そうそう、アメリカでは研究指導も教員の評価になりますので、研究手法も指導しないで放置しているような教員はすぐに消えていなくなることになります。日教組じゃないけど、教員を甘やかしてはいけません。

ブラック研究室と、一見ブラックだけど実力は付くところの違いは労働の質にあります。ブラック研究室では教員は学生の実力に期待していないため、結果につながるようなことをやらせません。あくまで雑用係としてこき使います。似非ブラック研究室では、未熟な学生に無駄かも知れなくてもきちんと研究を行わせます。出てきた結果なんて大抵はろくなものじゃないし、お金の無駄でもあるけどちゃんとやらせてくれます。

これは企業でも同じですね。ブラック企業はキャリアの袋小路というか、10年働いて転職しようと思ってもどこ行っても使い物にならない能力しかついていないとしたら、それはブラック企業の素質があります。私の感覚としては、マターリ企業も濃度は薄いけどブラックです。一方で、もう総崩れの外銀とか、あと外コンなんかは仕事は非常にキツいようだけど、その辺出身者は転職市場で重宝されます。外コン出身の役員ってあちこちにいますからね。

あなたの研究室はどちらでしょうか?