三大なんとか

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よく日本では世界三大何とかという言い方をするけど、これが意外と世界では通じない。たとえば、トルコ料理はフランス料理、中華料理と並んで世界三大料理なんだねと言っても、トルコ人にはいまいちぴんと来ない。ほめられているのだから悪い気はしないとは思うけど。

で、

(Jeff beckは)クラプトン、ペイジと並んで、世界三大ギタリストと言われています。

という主張があったとしよう。Wikipediaのエリック・クラプトンのページを見ると

エリック・パトリック・クラプトン CBE(Eric Patrick Clapton CBE、1945年3月30日 – )はイングランドのサリー、リプリー出身のギタリストでブルース&ロックミュージシャンである。ジェフ・ベック、ジミー・ペイジと共に、3大ギタリストと呼ばれていた。

とあるので、一般的にそういわれているのだと思う。でも、Wikipediaには各国語リンクがあり、これが便利である。専門用語なんか特に英語でなんていうか分からないときにはリンクをたどると簡単に見つかる。話が飛んだけど、クラプトンのページを見ると

Eric Patrick Clapton CBE (born 30 March 1945) is an English blues-rock guitarist, singer, songwriter, and composer. Clapton has been inducted into the Rock and Roll Hall of Fame as a member of the Yardbirds, of Cream, and as a solo performer, being the only person ever to be inducted three times. Often viewed by critics and fans alike as one of the greatest guitarists of all time,[2]

とone of the greatest guitarists of all time(歴史を通じてもっとも偉大なギタリストの一人)にトーンダウンする。別に同格のギタリストが100人いても構わないわけだ。ジェフ・ベックのページには

Geoffrey Arnold “Jeff” Beck (born 24 June 1944) is an English rock guitarist. He was one of the three noted guitarists — the others being Eric Clapton and Jimmy Page — to have played with The Yardbirds. He was ranked 14th in Rolling Stone Magazine’s list of the “100 Greatest Guitarists of All Time”

と歴史上の100人の偉大なギタリストの一人という扱いである。というか、ブライアン・ジョーンズを抜きにして三大とか言ってんじゃねーよというと、顰蹙なんでしょうか。

ともあれ、日本ではよく三大なんとかと言うけど、日本以外でそう言っても通じないことが多いような気がします。たとえ、さっきのトルコ料理にしても当事者も「へー、そうなんだ」という感じなのに、日本だけでいろいろ三大料理とか三大珍味とか三大美人とか、あらゆる分野に三大をつけているというのは、なかなか面白いトレンドと言えるかも知れません。

あと、三大文明(四大文明とも言うか)はあれは歴史の世界ではひどいと顰蹙ですね。あの時代に世界中には文明はもっとたくさんありました。この辺はギタリストと同じ構図ですが、教育の世界に持ち込まれてしまうと、試験で代表的な古代文明を問われて「アンデス文明」を例に挙げると不正解にされかねないというひどいものです。昔々、考古学があまり発達していなかった100年くらい前の教科書がいまだに使われているような感じなのです。

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2 件のコメント

  • 「三大ギタリスト」の件ですが、これはセールスを意識した恣意的な表現であるというのは有名事実かもしれません。しかも日本限定。私はJeff Beckの偉大さ(笑)を知らしめるときに、あえて「三大」という表現を使っています。素人に紹介する文句としてわかりやすいものですから。

    ただ、Clapton、ペイジ、ジェフの三人は、「ヤードバーズ」というグループに在籍していたという共通点から、「ヤードバーズ出身で、ギタリストとして著名になった三人」といえば、より正確な表現かもしれませんね。

    あ、ちなみに「3」という数字は、ものごとを分類するときに最も受け入れやすい数字らしいですよ。何かの本で仕入れた知識ですが・・・。

  • 世界三大料理の「トルコ料理」とは「イスラム圏の料理」という意味で西洋側が使っていたものと解されます。
    昔の英語の小説なんか読んでるとエジプトのケバブなんかすらも「トルコ料理」と呼ばれている例がありますね。

    中央アジア・インド(ムガル朝はイスラム)・ペルシャ・中近東・北アフリカは「イスラム世界」で括って内部で料理文化の共通性があるので、この意味においては確かに「トルコ料理」を世界三大料理の一つとして数えても構わないと思います。
    事実、イスタンブルが栄華を極めていた時代はこの広域エリアの料理が王宮にて全て食されたのですから。

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