社畜とブラック企業

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最近、社畜とかブラック企業の使い方が拡大解釈されている気がする。これは、草食系男子とかツンデレでも感じたことなんだけど、元々の意味とは外れた意味で用いられることの方がむしろ増えている事例がある。

言葉そのものから感じるイメージがあるので、定義を確認しないで使っているとどうしてもそういうことは起きる。文科系の人はその辺は比較的しっかりしている。例えば法律用語で「善意の第三者」という場合の「善意」とは「法律上の効果を生じうる一定の事実を知らない」という意味がある。ここで「善良な人」だと言葉から感じる意味で議論する人は文科系の人にはあまりいない。

というわけで、社畜とブラック企業の定義を確認しておく。これらはインターネットスラングなので、明確な定義ははっきりしないのだが。

ブラック企業

社畜を語るにはブラック企業のことをはっきりさせておかないといけない。

おいらの定義ではブラック企業とは「労働基準法などの法令に明確に違反していて、労基署などが正常に機能していたら指導・送検されてしまうような企業」である。個別の事例はWikipediaのブラック企業のページにこれでもかというほど書いてある。

例えば、ホワイトカラーエグゼンプションが当たり前の外資系企業で働いているにもかかわらず、週の労働時間が40時間を超えているからブラックだと言う人は勘違いをしていると思う。ただし、外資系企業の中にも日本オフィスでは「郷に入っては郷に従え」の諺通りにブラック企業化するところもあるらしい。外資だから全てまともな企業と言うつもりはない。

社畜

おいらの定義で社畜とは「単に雇用契約をしているのみならず、魂までも売り渡してしまった労働者」である。単にブラック企業でサービス残業や休日出勤に耐えて鬱病になるだけでは畜生とまでは言えないと思っている。日本は人材の流動性が低いから、今の会社が嫌で辞めても状況が改善するとは限らない。某Oさんのように、東証一部企業から転々としているうちにニートになる場合もある。

ちなみに、アメリカのIT企業で働いている知り合いによると、3年も働いていると引き抜きの電話がかかってきて、キャリアアップができる。平均所得は日本のIT業界で400万円ちょっとなのに、アメリカだと800万円以上だと言っていた。これは、日本の場合は仕事を辞めると、次の仕事は現在の仕事より悪いところにしか行けないのが普通だが、アメリカでは次の職場は今の職場より好条件で迎えられるか、引き抜かれないために元の企業で待遇改善があるからだそうである。

このように、諸事情によって嫌々ブラック企業で働かざるを得ない人は社畜とは呼ばないことにしている。社畜は本来戦うべき搾取している側の代弁者に成り下がっている労働者である。つまり、一般労働者の敵である。吸血鬼に血を吸われた元人間みたいに考えるとよいだろうか。社畜が社畜になりきれない労働者を牽制してくれるので、搾取側の経営者は大いに助かっているはずである。直接手を汚すことをしなくても、社畜が現場にいればほっといても悪条件で酷使できるのだ。

ドラクエ7の魂砕きって、もしかして社畜なのではないかな。

用語の拡大解釈は社畜の陰謀かも知れない

社畜の大好きなフレーズに「社会人失格」とか「社会人は学生のように甘くない」がある。悪い労働条件に文句を言うのは当然のことだと思う。しかし社畜は論理のすり替えで、正論を言う人を社会人失格と相手が未熟であるということに強引にこじつけようとする。

ここで労働者全般が社畜であるかのように解釈を拡大すると、社畜を批判するという真っ当な行為が、働くことから逃げているモラトリアムニートの情けない言い訳のように印象を変えることができる。こうすると、社畜の得意な社畜、社畜言うやつは社会人失格を使いやすくなる。

だから、社畜の意味はあまり拡大しない方がいいと思う。社畜とは、吸血鬼に血を吸われた元人間(大体の吸血鬼ものの小説等の設定は、吸血鬼に血を吸われた者は、吸った者に服従することになる)のようなイメージでおいらは考えている。